第32話 病気 (ギリギリか? by黒糖)

「うっし。では張り切って頑張りまーす!」

「修くん、酒臭いよ」


テーブルには空瓶が二つ。俺は全部飲みきった。飲む前は死ぬんじゃないか?と思ったが、意外にすんなり飲めた。楽勝である


それになんだかとても気分がいい。これなら満足のいくマッサージができるだろう


「よっこいしょ…」

仰向けで横たわる玲子さんの上に跨った


「お、重いっ。修くん、お腹が苦しい…」

「ん? あー、ごめん」

俺の体重が玲子さんの下腹にかかっているのか。そりゃ重たいわなー


玲子さんから降りて横からマッサージを試みる。おっぱいのラインが縦になったのでやり難くなった…

とりあえずジーパンを脱いでおくか。

「ぽいっと!」

ジーパンを脱いでソファーへぶん投げた。


「ねえ…やり難い?」

「うん。とっても。 どうしたもんか…」

「こうしたらどうかな?」


玲子さんは枕を重ねて俺にすがれと言った。

枕を背もたれに座ってみる。…座り心地は悪くないぞ


「うむ。悪くないな」

「で、私がそこに…と。お邪魔しまーす」


俺を背もたれ代わりに玲子さんが座る。

玲子さんを俺が、後ろから抱きしめるかんじになった


「お? これは俺的にマッサージしやすい体勢だ」

「でしょ。 じゃ、修先生、治療をお願いします」

「おー。任せとけい」



酔っぱらった修による、治療という名の…

いやらしいマッサージが今始まる




うーん…滑りが悪いな

とりあえず俺の指先に唾をつけてみよう

"ヌルリ…"

ヌルヌルでいい感じになったな

よし、乳輪から治療だ


乳輪の外側より内側を目指しながら円を描くようにマッサージをする。所々、毛穴なのか邪魔なものが指先に当たる


「いらんな。なくなってしまえ」


しっかり乳輪をマッサージしていくと、中央部の突起物と遭遇した


「あふんっ…」


うむ。左右で少し大きさが違う…か?

やはり左右対称がよいだろう。クリクリと捏ねてみる。そう、例えるならガムを指先の丸めるような感じだ。


「ひ、引っ張っちゃ…いやん」


伸び代は左右同じか。しかし伸び過ぎだな…ガムではなかろうに。

それならば、弾力は残しつつ、ややかた目にしておこう。


色はそうだな…ピンクがいいんだっけ?

北国の外人のようなピンク色にしとくか。うん、それがいい


「…ハァハァ…」


ガシッとおっぱいを鷲掴みにしてみる

これは若干、形の修正も必要だ。柔らか過ぎて崩れかけているしな。よし、張りを追加しとこう


矯正の為にモミモミと揉みまくる。さっきより格段に良くなっている気がするぞ


「いや〜ん…」


…俺が頑張ってるのに『いやーん』はないだろう。左手の指2本を玲子さんの口の中に突っ込んで黙らせた


「ふぐぅ…」


パタパタと足をバタつかせる。

…まったく落ち着きのない人だ。治療中はおとなしくしとこうか


俺は両足で、玲子さんのそれぞれの足をロック。

M字の二人羽織バージョンだ。プロレスの技にこんなのなかったか?


M字になったので茂みの奥がよく見える

見晴らしが良いというのはいい事だな


「…ん?」


見れば地面が色素沈着で汚い。これはイカン! 穢れた大地を浄化しなければ病魔の温床になってしまう…大変だ!


だが、幸いにも浄化ができるプロがここに居合わせてよかった。今この場に俺がいるのは運命なのだろう。

大丈夫だ玲子よ。俺がきっちり浄化してやるから心配するな


「ふぐぅ!ふぐぅ!……ふあぁぁぁ!!」


右手、手のひらで穢れた大地を擦る。玲子の体が小刻みに震えているが、きっと病魔と闘っているのだろう

玲子の呼吸が速くなり、背中やうなじから汗が滲んでくる


「頑張れ!負けるな玲子っ」

"ビクビク…ビクンッ"


くそぅ!俺にはこれ以上、手を貸してやることが出来ない。ただ、玲子の耳元で応援するしか能の無い非力な男だ


「ちくしょう…ちくしょう…」

自分の無力さは自分が1番よく知っている


「ふぁめーーー!!」


しかし俺も男だ。ここで踏ん張らなくてどうする? 精一杯する事は当たり前だが、それ以上に、期待に応えるよう限界以上に努力することが大事だと俺は思う。


「うりゃあぁぁぁ!」

"スリスリスリスリ…"


右手を更にスピードアップさせた。一刻も早く浄化しなければ玲子が危ない

彼女はただの人間だ。時間をかければ浄化は間違いなく出来るが、その前に彼女の命が先に消えてしまうだろう


と、不意に俺の手のひらに突起物が…


「貴様が病魔か!」

「ふぉれふぃがう!」


俺は病魔をターゲットに、4本の指先で擦り上げる


「病魔退散! 喰らえ超振動64ビート!!」


「ーーーふふぁあ?!」


プシャーッ


目の前を病魔が液体になって飛び出していった。敵ながら潔い。うむ、誠に天晴れだ


よし、これで玲子さんは助かったぞ!

俺は拘束を解き、ビクンビクンしている玲子さんに勝利宣言を放つ


「俺たちの勝ちだ!!」



〜〜〜



「誠に申し訳ありません…」


ベッドの上で土下座し、俺は深々頭を下げていた


シーツはビチャビチャになってしまったから、掛け布団を敷き直し、上に2人で座っている。もちろん俺は土下座。

腕を組んで俺をたぶん睨んでいるであろう、目の前のお姉さん。視線が俺の背中にブッ刺さっているようだ

怖くて頭を上げれないから "たぶん" としか言えないんだが。


「修くん、やってくれたわね…」

「えーと…何をでしょうか。お酒のせいで記憶が…。すみません、分かりませんです、はい。」


そう、少しばかり酔いが醒めた俺は、自分がやらかしたことについて、はっきりと思い出せないでいる。お酒って怖いな…


「はー…。もういいわよ。頭を上げなさい」

深い溜息が聞こえて来て、玲子さんからお許しのお言葉をいただいた


「は! ありがとうございます」

ガバッと頭を上げ 敬礼をとる


「なんだか体が軽くなったわ。そのせいかお腹が空いたわね」

「ですね。何かとりましょう」

俺は食べ物が載っているメニュー表を手に取る

ふと、視界にカップ麺が目に入った


「うどん、蕎麦にラーメンか…」

コンビニにも並ぶメジャーなカップ麺だ


「修くん、私カップ麺でいいわよ」

「そうですか? このハンバーグとか美味しそうですが」

「時間がかかるでしょ? カップ麺なら3分よね」

「なるほど…。じゃ、俺はうどんにします」

「私は蕎麦にしようかなー」



カップ麺たちにお湯を注ぎながら、目の前をおっぱいを見る


「あっ?! 玲子さん、色が!」

「色? なに修くん?色って…あっ?!」

真っ黒だった色が、僅かな時間で焦げ茶色になっていた


「こ…これは凄いわね。楓ちゃんを信じてなかった訳じゃないけど…実際目にすると…」

玲子さんは『マジ?信じられない〜』と自分の乳首を捏ねる


「ちょっと?! ローブでも着てくださいよっ」

刺激的な行為はやめてほしい。


「あらら…。修くん元気ねー」

「先っぽを摘まないでくれますか?」

玲子さんに元気な子供の頭を弄られた


「よし! お姉さんに任せない。お礼はまた別にするけど、そのまま食事はキツいでしょ?」

「大丈夫! 直ぐ治るから」

よしって何だよ! 食べる頃には縮んでるだろ…たぶん。


「…こんなにして?」

ニヤニヤする玲子

「それにカップ麺、すぐ出来ますよ?」

「ふっ…。私はプロよ? 修くんナメてない?」

「いや、別にナメてはいません…が、ちょっと!!」

「蕎麦の前に…いただきまーす!」


あむっ






ごっくん…


「ごちそうさまでした。」

『いつも出すんだけど、飲んじゃった…えへ』と戯けてみせる


「修くん、うどん延びちゃうよー?」

「……」

「修くん?」

「ソーローは病気…ソーローは病気…」

「何言ってんの? 私がテクニシャンなだけよ」

胸を張る玲子。おっぱいが上下に揺れた


まさか3分足らずでイカされるとは思わなかった…

な、なるほど…これがプロフェッショナルというものか。おそろしい


プロフェッショナル…そのテクニックを見せつけられたな


「なにも泣くことないでしょ」

「……」


食べ慣れている筈のうどんは、何時もより

しょっぱかった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る