第51話 みんながみんなそうじゃない
「まずは~髪型から変えないとね~」
何故こんなことになったのだろうか(久しぶりに出たこの言葉)
僕をイケメンにするなんて到底不可能だと思うのだが・・・
そんなに羨んでたように見えたのかな?羨んでいたというより恨んでいたといったほうが正しいような気がするのは間違いだろうか。とは言えど特に強い欲があるわけでもないしそれを通り越してめんどくさいことになった、とまで思っているレベルだ。今懸命に手を動かしているみんなのことを思うと申し訳なさと一緒に恐怖が芽生えている。こんなに忙しいときに、一人イケメンになるために後輩3人引き連れて顔面グレードアップしてました!なんていった暁には僕の命はないだろう。もう殴られても仕方がない。この後が一番大変だ・・・・・・
「お!いいじゃん!先輩ってよく見たら普通にイケメンだよね~」
「うんうん!ちゃんと身の回りをきちんとしていれば陽キャだったかもね~」
「顔は整ってるのにもったいな~~~い」
お世辞にもほどがあることを言ってくる3人の後輩
「凪沙を泣かせちゃだめですよ!」
「イケメン計画は凪沙のためでもあるんだから!」
「静さんの?」
「私たちこれまで凪沙に助けられたことがたくさんあったけど、今の今まで恩を返したことがなかったからさ、凪沙が好きな人ができたって言ってきてくれた時嬉しかったんだ、これなら私たちも協力できるんじゃないかってさ!先輩に出会うまでは何かを隠しているっていうか、どこか全力で笑えていないような感じだった、けど先輩と出会ってから凪沙が生き生きとしてるように見えた、もうそれは初めて空に舞った鳥のように。だからもう落ち込まずにそのまま高く飛んでいってほしいなって!この後押しが私たちの恩返しだって思ったから」
僕は体育祭の時のことを思い出した。
彼女が僕だけに言ってくれた苦い思い出。
友達との関係の崩壊。
それはとても悲しくて辛くて残酷な現実。
そんな人がいるんだって
なんで人を簡単に、友達を簡単に切り捨てられることができるんだって思っていた。
けど今日、分かったことがある。
世の中は薄汚れた暗い闇だけが取り巻いているんじゃないと。
ちゃんと思ってくれている人がいるということを。
辛いことや苦しいことは人生に何度だって訪れる。それが忘れられなくて、怖くて、トラウマになって現実逃避しようとすることだってあるだろう。けどその気持ちを必ず散らしてくれる存在が現れるんだと。
静さんのことを応援しようとしてくれる人いるんだってことを。
静さんはいい人だ。生意気だけど気づかいができる優しい人だ。
だからこそ中学校の時に起きた現実がある。優しさにすがって都合のいいように切り捨てる。そんな酷い奴がいた。
そのトラウマであったはずの道が閉ざされてしまった。
けどその優しさに、気づいてくれた人がいた。
その優しさを放さず、利用せず、大切にしていてくれた人たちがいた。
やっと報われたんだな
いい友達じゃないか
これからも頑張れよ生意気な後輩。
「君たちはいい人達だね、これからも凪沙をよろしく頼む」
「え!なにそれ!今のちょっとキモいんですけど~」
「い、いいだろこんくらい!!僕にも思うことがあったんだよ!!」
「分かってるよ」
「凪沙泣かせんなよ~~」
「じゃあちゃっちゃと仕上げるよ!!」
そう言って僕の顔をいじり始めた。
一つ言い忘れていたことがある。
これだけは静さんに合わないんじゃないかって。
友達3人超チャラくない???
つづく
あとがき
最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!!
チャラい凪沙の友達でした~~!とても優しい方たちですからね!
さてさて次話でもまだまだ学園祭編続きますのでお楽しみに!!
ではまた!
立花レイ
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