第40話 記憶
朝宮咲奈
「ペンダントを交換したんだ」
雷斗くんがそう言ったときに胸が張り裂けそうになった。
ちゃんと思えててくれていたんだって!
雷斗くんとデートしたときに私との小さい頃の思い出を話してくれたことがあったけどその時はあまり深いことは話していなかった。
だけど、今日確信した。
まだ雷斗くんの中にあの時の記憶があるんだってことを。
それが分かったことだけでとても良かった。
最初は覚えていないと思って半ばあきらめかけて忘れるところだったけど、こうして何年も月日が経ってもあの頃のこと、あの時の約束を今の今まで雷斗くんの胸にあったことが嬉しかった。
また昔のように笑い合いたい。
今はまだこんな関係だけどいつか本当のことを言えるときが来たら...
「いつになるのかな......」
私は交換したペンダントを見ながらつぶやいた。
そして時は過ぎ、夏休みの終わりは着々と迫ってきていた。
その最後の思い出作りというわけでいつもの4人と三月さん、静さんと一緒に夏の王道、海にやってきていた。
「海だ~~~~~~~!!!」
「おぉぉぉ~~~~!!!なかなか綺麗ですね~~!!」
「悪くね~な!」
「.........」
海
それはつまり陽キャラの住処だ。
もうこのくだりいいわ!!って思っているだろうが言わしてほしい
海とは陽キャラだ!!!!
その世界に僕は立ち入ろうとしていた。
「先輩は海初めてですか?」
「い、いや前に何回か来たことあるけど海には一滴も触れなかったな」
「それ海に行ったっていうんですか.....」
「いや、僕も行きたくて行ったわけじゃないんだよ」
「けどその間何してたんですか?」
「本読んでた」
「げ......」
「げってなんだよ。げって」
「いや、海に来てまで本を読む勇気が凄いな~と...私には無理ですから...」
「海に来て泳がないなら何もすることないだろ」
「海は泳ぐのが目的ですからね!!!本を読むとかそんな場違いなことするところじゃないですし!!!」
「ごもっともだから何も言い返せんな......」
「はぁ......先輩にはいつも驚かされっぱなしですよ...」
「それはどーも」
「褒めてないです」
そんな会話をしていると
「せんぱい、うみきらいなの..?」
静さんの後ろに隠れていたまだ小学校低学年くらいの女の子が問いただしてきた。
「ほら~先輩が変なこと言うせいで瑠美が~」
「き、嫌いではないよ~、あはは.....」
この子は瑠美ちゃん、静さんの妹だ。
「じゃ、じゃあ!るみといっしょにあそぼっ!!」
「僕と遊ぶよりあのおねぇさんたちと遊んだほうが楽しいよ?」
「せんぱいとあそびたい!」
「ほ、ほう......」
そしてなぜか好かれているのだ。
「お~~い!雷斗くんも静姉妹も早くこっち来なよ~~」
そう言って海ではしゃぎながら雪野さんが声をあげた。
「静さんいってきな......とはいかないよね~......」
「るみに好かれてますからね~、行くしかなさそうですね!!」
「だな......じゃあ瑠美ちゃんいこっか」
「うん!」
そういって声のする方に歩いて行った。
つづく
あとがき
最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!
ついに夏休みの王道の海が来ましたね!!
僕は海に一回くらいしか行ったことないんですけど海は多分楽しいですよね!
友達行くと...ね
次回も海編です~~~
では!また!
立花レイ
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