第39話 忘れたころにやってくる

僕ら四人と三月さんを入れて僕たちはお昼ご飯を食べに行っていた。

その時に、事は起きたのだ。


「ねぇねぇ!!恋バナしよ!!前できなかったでしょう??凪沙ちゃんもいることだし!開催するべきだと思うのですよ!!」


雪野さんの言葉で思い出された記憶


お泊りをしたときにお預けとなった話題が今ここで回ってきたのだ。

完全に忘れていたために耐性が付いていなく唖然としてしまった。


恋バナ、すなわち恋話。

俗にいう、“今好きな人いる?“とか“私○○ちゃんが好きなの!!“とか“実際○○君のことどう思ってるの?“などなどをいろいろ暴露しないといけない会である。


そうこれは陽キャラが楽しむものなのだ。

というか陰キャラには入ることのできない領域なのだ。

恋などしたことないし、あったとしても黒歴史しかないのだ。


それが今、忘れたころにやってい来たのだ。


で、でたーーー.........

何で今になってまでそんなこと覚えてるわけ???

もっと覚えなきゃいけないこと沢山あるよね???


何で人は超どうでもいいことを覚えているっていう性質を持っているのだろうか。

一番無駄な脳の使い方をしているだろう。


「えぇぇ!?今からするの!?」


「いいじゃん!いいじゃん!、お!さては今好きな人がいて恥ずかしいのかな??」


「もう!!からかわないでよっ!!」


「けど恋バナって楽しそうですね!!私そういったことしたことないのでワクワクします!やってみたいです!!」


「ちょちょちょっ!!それ本気で言ってるの三月さん...?」


「面白そうじゃないですか!!雷斗くんはそんなに嫌なんですか?」


「え?あ、いや、そういうわけではないけど......」


「じゃあやりましょうよ!!」


「雷斗、ドンマイだな」


「僕には恋バナに値することなんて何一つしてないぞ...せいぜいしたのなんて小さい頃だ...」


「小さい頃っていつくらいなの?」


「まだ幼稚園に通っているときくらいだよ」


「へぇ~~、その子とは今何もって感じなの?」


「まぁそうだね。僕が僕が引っ越した時にお別れをして以降もう会ってないよ」


「なんか切ないね~それ」


「また会えるのならいいんだけどね......」


「なに?雷斗くんはまだその子のこと好きなんだ??」


「えぇ!!あ、いや、まぁそうなのかな?僕にでも分からないんだよ」


「なにそれ!!会えないから恋も薄れてきたみたいな?」


「いや、そういうんじゃないんだけどさ......って!僕のことはいいんだ!他の人の話をしてくれ!!もう何年もの前の話なんだから」


何を僕は話しているんだ......!!

こんなことを話したところで面白くもないし......


「最後まで話してくださいよ!!気になるじゃないですか!!最後まで聞くまでが恋バナじゃないんですか!?」


「お!いいことを言ったよ七瀬ちゃん!!そうだよ!!雷斗くん!最後まで言わないと!!」


なんでこうなった......

特に話を聞いたところで何の得もないでしょ......


いやこれが恋バナってやつなのか...?


はぁ......

いうしか道はなさそうだな......


「分かった話すから......僕が引っ越しする前にある約束をしたんだ」


「ほうほう!!その約束とは!?」


「ペンダントを交換したんだ。次会う時にまた交換しようって」


「そんなロマンチックなことしてたの!?雷斗君が!?意外過ぎるよ!!」


少しだけディスられているような気がするが、言われてもなんのおかしいことではない。昔とは性格も考え方も全く違ったと思う。


「今とは性格も違ったからね...ある日を境にこんなヘタレになってたけど...」


「え?それ何があったんよ......」


「けど会えるといいね、またその子と」


「会える確率なんて相当の運がないと無理だよ、それにその子の名前を僕は知らないんだ。ただ約束だけは明確に覚えているってだけで今どこで何してるかなんて何にも分からないから......」


「けど雷斗君にもそんなことが昔にあって安心しましたよ」


「な、なんで...??」


「今は無愛想でヘタレですけど昔は違ったんだって思って!!」


「いや、幼稚園の頃から無愛想でヘタレだったら怖いでしょ!!どういう子供だよ!!」


いやなんかそんなに今ヤバい人なのかな...?

ふつうに生活しているだけなのになんか凄いバカにされている気分だ...


「咲奈大丈夫??なんか顔赤いよ?」


「え!?あ、いや大丈夫!!!ちょっとボーっとしちゃってて!!」


「雷斗くんのいい話聞いてた!?」


「あ、う、うん!!また...会えるといいねその子と...」


「そうだね...」


その時の朝宮さんの言葉は少し震えていた。


「さっ!ごはんも来たとこだし食べよう!!」



こうして僕の恋バナ?だけして終わったのだった。



あとがき

最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!!

また明日も投稿する予定ですのでよろしくお願いします!!

ではまた!!!

                     立花レイ

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