第37話 思い
僕たちは昼ご飯を終え、ボルダリングをやり始めていた。
「おぉ!凄いね静さん」
「なかなかのものでしょう??」
軽々しく昇っていた静さん
本当に走っていた時といい、体が弱いとは思えないほどの俊敏さと運動神経の良さが出ている。これが本来の静さんなのだと思った。これなら体育祭も活躍できただろうにとあの時のことを思い出し、少し後悔をした。
「これ僕にできるのか.....」
「私が基本のことは教えてあげるのできっと大丈夫です!!!」
自信ありげに言って来た。
「お、おう」
けどあんなに運動センスがある人が教えてくれるなら信用はあるか。
僕はボルダリングに初めて触れることになった。
「そうですそうです!!上手いですよ先輩!」
僕は静さんに教えてもらったことを生かして昇っていった。
「ここまでできるようになると楽しいな!」
「そうでしょうそうでしょう!!ボルダリングは楽しいんですよ!!気づいてくれて嬉しいです!!」
「これも静さんが教えるのがうまいんだよ、普通じゃこんなにできないし楽しいと思わないよ」
「いやいや~~それほどでも~~」
照れながらも誇っている静さんに褒めたことを少し後悔しながらも実際こんなに楽しいのは静さんのおかげというものあり、言うのはやめておいた。
「ボルダリング悪くないかもな、もう体は限界に近いけど...」
「また誘いますね!!」
「その時はボルダリングだけにしてほしいがな......」
「あはは.....けど教えただけでこんなに上達するなんてすごいですよ!!普通の人じゃそう簡単にうまくはいきませんよ!」
「ついに僕にもセンスというものが宿ったとか?」
「やっぱさっきの言葉は撤回させていただきます!!!」
「すいません、調子に乗りました」
「よろしいです!」
彼女は少し笑ってこちらを向いてきた。
少し前まで暗い顔をしていたのに今はすっかり元気だ。
僕が何をやらかしてしまったのかは明確には分からないけどいつの通りの静さんに戻っていて良かったと思った。
「さぁ!もうすぐで暗くなってしまうので帰りましょうか!」
「そうだな」
僕たちはそういってこの施設を後にした。
「今日はありがとうございました。久しぶりに運動を誰かとしてとても楽しかったです!!」
「僕のほうこそいい体験をさせてもらったよ、ありがとな」
「はい!また誘いたくなったら誘いますので!その時はよろしくです!!」
「おう、じゃあ気を付けて帰れよ」
そう言ってその場を後にした。
「せ、先輩!」
しかし後ろから声がした。
「どうした?」
「私は先輩の妹なんかじゃありませんからっ!!!」
彼女はそういって走り去ってしまった。
「やっぱりその言葉がダメだったのか」
僕はポツリとつぶやいた。
それってまるで
私を女として見てほしいって言っているようじゃないか......
い、いや考えすぎか...
てか僕はなんて視点で見ているんだよ!!!
そんなことあるわけねぇってんだよ...!!
あああ!もう!モヤモヤしてきた~~!!!
なんかジュースでも買って帰ろ!!
僕はやけくそでそんなことを思い全力で走り出した。
あとがき
最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!!
次回もお楽しみに!!!
立花レイ
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