第36話 やはり運動はきつい
僕が思いっきり走っているところに追い付いてきた静さん
自分の運動神経の悪さと体力のなさに愕然とした。
「ちょっ!!静さん!!タイム!タイムだから追いていかないで~~~」
無言で追い越していく彼女にタイムを取ったものの聞く耳をもたずに走り去っていってしまった。僕はそれを見て完全に体力と精神が崩壊して倒れこんだ。
何でこんなに早いんだよ......
ホントに体が弱いのか??もう異次元的な速さだったぞ!!
いや僕が運動神経悪いし足が遅いってのもあるけど
それにしても体が弱いなんて到底思えないよ!
これが彼女が積み上げてきた成果なのかな
すげ~なホント。
そんなことを思いながら
「僕も負けてらんないな!」
そう言ってまた少しずつゆっくりと走り始めた。
スタートしてから40分ほどが経ったところで僕はようやくゴールすることができた。
「だぁ~~~疲れた......もう動けん......」
ゴールした瞬間に一気に力が抜け体がとても重く感じた。
「5キロきつすぎるだろ...もう足がパンパンだ...」
「よく走ってこれましたね!感心しました。すごいですよ、普通の陰キャならこんなことできませんから!だから雷斗先輩はちょっと特別な陰キャですね!」
先についていた静さんがちょっと訳のわからないことを言って来た。
特別な陰キャって...
それ褒めてるの?ディスってんの??
もうここまでくるとディスられてるような......
静さんが結局何が言いたいのかが分かるのって相当悲しいな...
「ま、まぁ一ありがとう」
僕は複雑な気持ちで言葉を並べた。
「じゃあ少し休憩しましょうか」
「うん」
僕たちは休憩もかねてお昼ご飯をとることにした
「ここ売店もあるんだな」
「一日中ここにいる人も少なからずいますからね」
「それにしても昼ごはん食べていいのか?この後の運動で腹が痛くなりそうなんだが」
「大丈夫だと思いますよ、そんなに激しいことはしませんから」
「それならいいんだけど...」
しかしあまり信用性のない言葉だ。なんかそんな気がする......
ま、まぁ今は信用しておこう...
「あ!そういえば学園祭の出し物は決まりました?」
「それなら決まったよ、メイドパフェに」
「メイドパフェ?それはいったいどういったことを?」
「メイドカフェがメイドパフェになっただけさ、まぁ男もいるけど...」
「男の人もメイド服着るんですか!?先輩のクラスの趣味...」
「なわけあるか、男は羊の衣装だよ」
「羊の衣装!!いいですね!!先輩を奴隷として扱いたいです!!!」
「ちょっとそんな怖いこと言わないでよね...!」
「え?キモ...雷斗先輩はネタでやってるんでしょうけど普通に気持ちが悪いのでやめてもらってもいいですか......」
「そんなに言わなくても...」
そんな......
メイド服を着て言ってほしい言葉を僕が代行していっただけなのに...
そんなに言わなくてもさ~~
ストレートで気持ちが悪いなんて言わなくてもいいじゃないの~~
「し、静さんのクラスは何をやるの???」
その話題をそらして質問した。
「私たちのクラスはたい焼きですね!」
「いいじゃないか」
「でしょでしょ!じゃあ来てくださいよ!!」
「まぁ気が向いたら行くよ」
「絶対来てください!!私が当番の時!!咲奈先輩とかも連れて!!」
「気が向いたら、な?」
「もう!なんでそれ!!」
ムッとした顔でこちらを見てくる静さん
「なんか静さんは妹みたいだな、妹いないけど」
静さんはなつっこいというか世話が焼けるというか、まぁ実際世話したこともあったしそんな感覚なのだ。何かをしてあげたくなる。
後輩というのはこういうものなのだろうか。
「なんですかそれ......」
僕がそんな言葉を口にすると彼女は少し暗い声で言って来た。
妹っていったのがダメだったか...?
けどそれってまるで......
僕の中で疑問が生まれてモヤモヤしたまま時間が続いた。
そして
「ごはん冷めちゃうので食べましょう!」
彼女がそう言ったので僕は箸を取った。
その声は少し震えていた。
つづく
あとがき
最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!
最近毎日投稿ができていなくてすいません!!
また毎日投稿ができるように頑張ってくのでよろしくお願いします!!
立花レイ
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