第35話 僕と後輩と運動

「先輩!こっちです~~」


僕が待ち合わせ場所に行くと手を振って呼んできた。

今日は運動をするらしい。

僕は運動が嫌いだし、運動音痴だから晒したくないのだが...

なんで僕が運動なんて...

ゲームで沢山走り回ってるから...!!!

許してくれませんかね!!



だがしかし今ここにきている...


そして先の見えないランニングコースに。


「これ何メートルくらいあるの......?」


「一番距離がなくて5キロですね」


「5キロ!?ふざけてるだろ!!!そんなの走れるわけないだろ!!初心者コース用意しとけよ!!」


初心者に優しくなさすぎるだろ!!!

ここ一様ちゃんとした施設ですよね??

全年齢対象の運動できる場所ですよね????

それをそんな趣味でやってるような人向けなんてねーーー・・・

全年齢対象って何それ!?!?

言葉だけかよおい!!!


「すいません。ここ初めての人とかには向いてないんですよ。がっつり走る人用ですね...」


なんでそんなところに連れてきたのだろう......

一発目から5キロって...

そんな僕死んじゃうよ!!!


「まぁまぁ!!ここは走るだけじゃないですから!!きっと楽しいと思える運動もありますよ!」


そう言って僕の腕をつかんできた。


ホントに走るの.........


いやだあああぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~!!!!




「ちょっとまって一旦休憩......」


「え!?ちょっと早くないですか!?まだ2キロも超えてませんよ!!それに休憩とかできる場所ないですよ!!」


「なんでおいてないんだよ......」


「はぁ・・・じゃあ歩きながらいきましょう」


なんでため息をつかれないといけないのかと思ったが胸の中に留めておいた。

大体、いつも家の中でごろごろしてるような奴が急に5キロ走れるわけないのだ。

1キロ走れただけでも相当頑張ったと思う。


「静さんは毎週こんな長い距離走ってるの?」


「そうですね。体が弱い分少しでも健康でありたいですからね!身体を強くしてこの体質に打ち勝ちたいものです!」


そのためにやっていたのか。けどすごいなこんなことまでこなしてしまうなんて。

僕にはそんなことはできない。もし僕が体が弱かったら逆に外に出ないだろう。

けど彼女にはそのためらいはなく、それすら思わぜずに必死に向き合おうとしている。

その姿が僕にはすごくたくましく見えた。


「静さんは凄いね、僕にはそんな考えは浮かばないよ」


「そんなことないですよ、ただ、みんなと対等な位置に立ちたいから頑張れるんですよ。」


「それでそんだけ努力することができるのが凄いよ」


「先輩も頑張ってたじゃないですか...!!」


彼女が急にそんなことを言って来たのでびっくりしてしまった


「え??」


頑張ってた??

僕がどこで?

確かに毎日頑張ってるさ。運は悪いし運が悪い

それを文句一つ二つに留めて我慢してきた。

けどそれは静さんが見ているわけではない。

なんでだ?


「お祭りの時、必死に探してたじゃないですか、咲奈先輩を」


「いやそれは違うだろ、確かに頑張ってはいたけど...」


「少なくとも私からは見たこともない雷斗先輩の姿でとてもたくましかったしカッコよかったですよ......」


「そんな大層なことを言われる筋合いははないよ、大体あれは僕がまねいてしまった事態だからな...かっこいいも何も犯してしまった事態をなかったことにしただけだよ、まぁ全部元通りにすることはできなかったけどな...」


「そういうのは見つけてくれたことと探してくれたその姿勢が大事なんですよ」


と、どこか悲しそうな顔で告げてくる。


「そういうものか」


「そういうものです....」



せっかく誘ってくれたのに僕が足手まといになってて尚且つこんな空気になってしまった。


僕はこの空気を打ち砕くように



「静さん!ゴール地点に先につけたほうの勝負だ!!負けたら勝ったほうの言うことをなんでも聞くって罰ゲームつきで!!」


と走っていった。


そうだ。今日は静さんが誘ってくれたんだ。

こんなとことで疲れ果てては男じゃないよな!?

あと3キロくらい?

そんなもんすぐ駆け抜けてやらぁ!!!


「ちょっ!!先輩ずるいです~~~!!!」


静さんは声をがらりと変え僕の後を追いかけてきた。


                           つづく



あとがき最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!!

次話をお楽しみに!!!

                      立花レイ

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