第33話 僕らの出し物
何にも案も出さないまま1限が過ぎていた。
「みなさ~んいい案は出ましたか~?とりあえず意見を聞かせてください~」
委員長のゆっくりでマイペースな口調でみんなが静まり返っていた。
「はいは~い、私はタピオカ出したいで~す!!」
と、クラスの陽キャがそんなことを言い出した。
でた...タピオカ......これこそ陽キャラの鏡だ
タピオカっておいしいわけ??
あんな黒い奴をみんなおいし~~って飲んでるんでしょ...
僕にはこれっぽっちもおいしそうになんて見えないんだが......
それに......
「タピオカは女子には人気があるかもしれないけど男子はあんまり買う人はいないと思うよ。売上一位目指すならあんまりおすすめはしないよ」
僕が言おうとしていたことをイケメン陽キャが言ってくれていた。
言うのを遅れてしまっていたがこの学校には出し物の売上によって打ち上げの資金が配布されるのだ。基本厳しい学校だが楽しむところは全力で楽しめという方針らしい。だからみんな気合いを入れて毎年頑張っているのだ。
そうか。打ち上げするための資金が貰えるのか。特に打ち上げとか行くわけではないからすっかり忘れていた。てかそういうのは陽キャラだけでやる雰囲気に自然となっているから僕みたいなボッチが入れるスペースなどないのだ。そもそも行くつもりなど一切ないが......
「雷斗くん...!!そんなことまで学校がしてくれるんですか!それなんで言わなかったんですか!!」
「いや~僕行かないし忘れてた」
「あ、なんかすいません」
「お、おう.........」
こいつ誘われないんだ可哀想~~みたいなこと思ってそうな顔でこっち見て来ながらそれを省略して謝罪だけしてくるのやめてね。
「じゃあ他に案のある人いないですか~」
「雷斗くんは何か思いつきました?」
「いやまったく」
そもそも考えてもいなかった...なんかごめんね...
「なかなか思いつかないですよね~~、私はクレープとか良さそうだなって思いました」
「クレープか、悪くはないと思うけどアレってどうやって作るんだ?てか機械なしで作れるのか?」
「確かにそうですね......機械がないと難しいかもしれませんね...いい案だと思ったのですが残念です...」
しょんぼりしながら言ってくる三月さん
あからさまに悲しい顔をしてくるのでこっちまで悲しくなってくる。
クレープでもいいけど機械がな~
それさえあればみんな賛成するとは思うんだけど.....
仕方がないよな~~~
「ならパフェとかはどうかな?パフェは男子も好きな人多いだろうしいいんじゃないかな?」
「けど男子入っていき辛くないか?結構勇気いると思うぞ?」
「だったらさ~メイド服着てやろうよ!!!男はそういうの好きでしょ~」
「メイド服!?!?いいなそれ熱い展開だ!!」
「それでさ!!男子が執事みたいにスーツに白の軍手はめてさ!」
「いいね!!それなら男女から人気が出そうだよ!みんなこの案でいいかな?」
クラスからは何故か雄叫びが上がった。
まぁ確かに人は来るかもしれないが......
羊の衣装に着替えるのはなぁ......
「いい出し物になりましたね!!メイドカフェではなくメイドパフェですね!!楽しそうです!!」
満足のいく出し物だったのかとても嬉しそうにこちらに話しかけて来る三月さん
「メイドパフェは新鮮だな」
ありそうでないことだから案外売れそうだ。
そしてメイド。
なんか青春じゃね?
そんなことを思いながら盛り上がっているクラスメイトを眺めていた。
そして僕たちのクラスの出し物はメイドパフェになった。
つづく
あとがき
最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!!
まだまだこれからの学園祭!!
楽しくなるためにクラスのみんなが頑張ります!!
次話もお楽しみに!!!
TWOWORLDのほうの修正もまた行ったのでそちらのほうの確認していただけると嬉しいです!!!
それではまた明日!!! 立花レイ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます