第32話 落ち着いた日常の先
地獄のテストを終えてはや二週間がたとうとしていた。
学校は学園祭の準備に取り掛かっていた。
疑問に思った人もいるだろう。
まだ夏休みも来てないのにもう学園祭なの??と。
この学校は少し特殊で夏休みが終わった直後に学園祭があるという他の学校とは違う方針なのだ。
そして全国のオタクにの皆様に説明しておくと
学園祭というのは各クラスそれぞれでいろんなジャンルの食べ物を作ったり出し物だしたり展示だったりと学園全体で盛り上がる体育祭のもう一つの大きい行事のことだ。つまりは陽キャラの会ということだ。
学校は陽キャラだけの場所じゃないんだ。そろそろ陰キャが輝ける行事の一つくらい考えてくれたっていいと思う。
まぁそれが叶うことは今後一切ないと言い切れるが......
学園祭もある意味近いということで今日僕たちのクラスは学園祭の出し物を決めることになっていた。
「では何かやりたいことありますか~?周りの人と相談してもいいですよ~」
委員長の言葉でみんなが話し始めた。
あと少し気になっていたんだが委員長の頼りがいのなさそうなその眠たくるようなめ止めてもらってもいいですかね?
そんなことを思いながら顔に手をやり委員長のほうを見ていたら
「雷斗くんは何かいい案はありますか?」
そう言って来たのは三月さんだった。
「いやそんなのあるわけないじゃん...こちとら陰キャの鏡よ?もう意見もしちゃいけないような気がするレベルだわ......」
「それは流石に酷すぎやしませんか!?ま、まぁ雷斗くんなら無きにしも非ずですね......」
「ちょっと!そこはカバーするところでしょ!!三月さんまでそんなこと言ってしまったら僕はホントに立場がなくなりそうだから...!!」
「あはは.....てのは置いておいて本題は出し物ですよ出し物!!私この学校での学園祭は初めてなので楽しみにしてるんです!!」
カバーしきれなくなって話をすぐ変えるのやめてね。
それはさておき、そうなんだよ、三月さんは今回が初めてのこの学校でも学園祭なのだ。どんな感じの学園祭なのかは案外気になるところだしな。
「去年はいろいろすごかった気がするな、王同のカフェだったりチュロスだったりタピオカだったり流行りの食べ物とか人気が凄いのとかは大体あった気がするな」
「なるほど...なかなか悪くはないですね。他にはなんかないんですか?食べ物以外で!」
「占いだったり、肝試しだったりマジックショーだったりあったぞ、あとは後夜祭があるな」
「後夜祭あるんですか!?そのイベントアニメやライトノベルでしか見てこなかったから後夜祭という空間に入ってみたいな~なんて思ってたんですよ!!どんなことやるんですか??」
「僕も実際に行ったことがないから詳しくは分からないけど歌うたったり先生たちがコスプレしたりしてたらしいぞ、最後は花火ってのは決まってるらしいけどな」
「らしいって雷斗くん寝てたんですか?」
「後夜祭は参加自由だから行きたい人が行くって感じなんだよ」
「そうなんですね!楽しそうなのになんで行かないんですか!」
「ボッチの僕が行ってもしょうがないだろ......一人で後夜祭参加するほど肝はすわってないよ......大体夜はゲームしたいだろ!そんなことに時間を割いている余裕はないしな」
「発想がもう雷斗くんですね......」
「ま、まぁとにかく楽しくないわけではないからそれなりに楽しめるんじゃないか?」
「そうですね!!ボッチの雷斗くんが言ってますからね!」
「ボッチが余計だ」
「本題がずれてました。クラスの出し物に何かいい案ないんですか?」
「そうだな~、王同のたこ焼きとかでいいんじゃないか?」
「そんなの面白くないですよ!!」
くちを少し膨らませながら言ってきた三月さん
いい案すぎるだろう。
みんな作り方くらいはみんなわかってると思うしたこ焼きにおいしいもまずいもないし、失敗もあんまりしないだろう。
「いいだろ!誰でも出来てかんたんだろ!」
「それが面白くないんですよ!!もっとこう~珍しい出し物がいです~~!!!」
こうしてずっと駄々をこねている三月さんだった。
こんな三月さんは初めてだ。
それだけ楽しみにしているのだろう。
まぁ今は言わせておくか......
そんなことを思っていると授業の終わりの鐘の音が学校中を響かせたとさ。
つづく
あとがき
最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!!
最近寒すぎて手がかじかんでこうしてストーリーをかいている時とか感覚があまりない状態でやってます。手が年中あったかい人が羨ましいです.....
では次話のお楽しみに!!!
立花レイ
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