第11話 僕と美少女と決定

三月さんとゲームをした日の翌日の学校


「おはようございます!ラングさん!」


「おはよ、ってその呼び方やめろっ!なんか恥ずかしいだろ」


「まぁまぁいいじゃないですかっ、ギルメンも驚いてましたね」


「むしろ僕らより驚いていた説まである」


「そりゃ驚きますよね、同じギルドのメンバー2人が同じ学校の同じクラスの知り合いだったんですからね」


「だよな~、こんな非現実的な出来事なんてそうそう起きることでもないし、びっくりしないほうがおかしいよな」


「まぁ悪いことが起こったわけではないので全然良いです!」


「だな」


ギルドメンバーに知り合いだったことを話したらそれそれは大変驚いていた。


「またやりましょう!」


「今日ギルダンでやるだろ」


「そうですね...!けどまた二人で...」


「なんか言った?」


「い、いえ!またギルダンの時に!」


「おう」


そんな会話をして授業の準備をした。



学校も終わり放課後


「雷斗~この後飯食いに行かねーか?」


「急だなおい。それなら朝宮さんに連絡しとかないといけないから伝えてくる」


久遠は”りょーかい”と言って俺を見送った。


「朝宮さん、今日久遠に夜ご飯誘われちゃったから僕の分のご飯はいいよ」


「あ~!いいな~夜ご飯、最近外食してないんだよね~~」


と朝宮さんではなく隣にいる雪野さんが僕に対して言ってきた。


「じゃあ、そっちも行ってこれば?朝宮さんも今日は休みってことで」


「うん。そうしようかな」


「じゃあ、僕はこれで」


と帰ろうとしたとき


「咲奈が~雷斗くんとご飯食べたいって~~~」


「へ?」


「いつも食べてるよ…」


「外食がしたいんだって~いいでしょ??」


「久遠がいいっていったらいいよ...」


「あいつの許可なんかいらないよ。一緒に泊まった仲だからってことで!」


「理由になってない...」


「じゃあ食べに行こう!!」


そういって先に行ってしまった朝宮さんたち。

”どこにする~?”と陽気な会話が聞こえてくる。



今日もHPを節約できそうにないなこりゃ...


僕はそんなことを思いながら彼女たちの後を追った。



「なんか4人になっているんだがどういうことだ」


「い、いや~、まあ色々あって一緒にご飯食べることになった」


「省略しすぎだな...まあたまに4人で来るのもありかもな」


僕たちは悩んだ末、焼肉屋に来ていた。


うま~と言いながら食べている久遠

強引に来られたから大丈夫かと少し不安だったが気にする必要はなかった。そもそも人を気にするタイプではないから変な空気にならないことはある程度は分かっていたが一応な...さすがは陽キャラだ。まあ泊まった仲だからってのも少しはあるのかもしれない。なんにせよ良かった。


「颯ってバイトやってたっけ?」


「やってるぞ、そうでもしなきゃ服とか買ってられないからな」


雪野さんと久遠がバイトのことでいなしていると僕にヘイトが集まった。


「雷斗くんはやってないの?」


「やってるさ。自宅警備員を給料なしで(笑)」


「ニヤニヤしながらいってるけど今相当キモいぞお前」


つい調子に乗ってしまった。ちょっと言いたくなる言葉だったから...


「ま、まあ、やってないな、雪野さんはいま探してるの?」


「いや~~私はやってるよ~、けど咲奈がやろうか悩んでるんだって」


「日用品代は仕送りしてもらっているけど家に住まわせてもらっている以上他に使うこともあるし、そういうのは自分で払いたいなって...」


「朝宮さんはすげーな、雷斗、お前も見習えよ」


「そんなこと言われたってなれるわけないだろ、僕は低スペックだぞ」


「お前はちゃんとすれば高スペックになるだろ」


「馬鹿なことをいうな」


「自分で決めつけてるからそうなるんだよ、お前顔も整ってるし外見良くすればモテるぞ」


「...無理だな」


「まあいいよ、いずれそういう時が来る」


久遠はそう言って朝宮さんのほうを向いた。

奴は僕と朝宮さんが青春するというルートをたどっているらしい。

そんなことがあるわけがないのに...

確かに彼女とそういった関係になったら人生バラ色になること間違いなしだろう。

学校の男子ほとんどは彼女と付き合いたいと思っていそうだし。

きれいだし優しいし悪い要素なんて一つもない。

きっと毎日が楽しくなるだろう。

だけどそれは届かない。

僕が届いていい相手ではない


一緒に暮らしている中で彼女の良さを 優しさを間近で感じてきた。

それは多分、他の人よりも理解していると思う。

一緒に暮らしているからこその理解だ。


だからこそわかる。


釣り合わないって


僕が彼女の隣にたてることはないって......


「高嶺の花って言わなかったか」


「さ~~それはどうだろうな」


僕を理解しているかのようにいってくる。

僕は君の思っているほど期待できる人間じゃない。


「どこで働こうとしてるの?」


僕は久遠との会話を終わらせるように朝宮さんに話しかけた。


「最近できたドーナツ屋さんでしようかなと思ってるんだけどね...」


「なんか欠点があるの?」


僕がそう聞くと


「欠点ってわけではないんだけど、その...ら、雷斗くんと一緒にやりたいな~なんて.........い、いや、それは...!夜ご飯も待たせちゃうかもしれないし!夜一人怖いし...!!」


顔を赤らめて言ってくる朝宮さん。


「ど、土日だけにするとか...は?大変...だよ?」


「あれ~いいのかな~男がそんなこと言って!!!こんなかわいい子が君だけに助けを求めてるんだけどな~、それを断るの~???」


ここぞとばかりに言葉を並べてくる雪野さん。

ご飯食べに来た目的がこのためだったということに気が付いた。


これ詰んだな....


久遠もニヤニヤしながらこちらを向いてきている。


こいつ分かってたな...!!!!


「分かった!分かったよ!やればいいんだろバイト!!」


「ほんとにいいの?」


「ごはんいつも作ってくれるのは朝宮さんだし、感謝してるからこれくらいの頼みはやるよ、それに夜は危ないし...」


「そうだね、ありがとうね!」


そう言って嬉しそうにこちらを見て微笑んでくる朝宮さんに少しドキッとした。

そしてなぜか嬉しかった。


「さあ!まだまだ肉がくるぞ~~!!早く颯焼いて!!」


「俺はパシリじゃねーぞ!!」


そんなことを言いながら楽しそうにしていた。



これからHPを節約することはできなくなるかもしれないと脳裏に浮かんだ。


                        つづく



あとがき

最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!

少しづつ距離が縮まっていくお二人に期待しておいてください!!


次話では早速 雷斗と咲奈がバイトする話です!!

お楽しみに!!               立花レイ




















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