第7話  僕と美少女とやきもち

転校生がきた日の夜


私の頭が混乱し続けていた。


雷斗くんと転校生の三月さんが趣味で意気投合して盛り上がっていた。


その時の雷斗くんは楽しそうで笑顔いっぱいだった。見たことのない笑顔だった。


何でなの!!私のほうがいる時間は三月さんより多いのにもう打ち解けてる!!!

しかも下の名前で呼んでたよね??  うぅ...

私だってまだ下の名前で呼んだことないのに...!!


私は枕を両手で抱えて顔へと近づける。


あれ私なんでこんなこと考えてるの?!?!


私まさか...!!!


一人で恥ずかしくなっていると、紅葉の言っていた言葉が頭に浮かんだ。



「また仲良くなって付き合いたいと?青春してるね~!!」




「何度でも挑戦すればいいじゃん!重たく考えないの!!!」




こんなの私が雷斗くんのことが好きみたいじゃん!!


違うよね...?


私そんなんじゃ...


確かにみんなでお買い物行ったときは雷斗くんに一緒に選んでもらったけどアレはただのノリであって...!!!


何でこんな気持ちになってるの...!!!


けど、もし雷斗くんが私のこと好きだったら??


だって!!もう同居し始めて何週間か経ってるし!


恋愛感情があったっておかしくない頃だと思うし!!!




本当に...もしそうだったら私はどうするんだろう




って!!何考えてるの私!!!そんなことあるわけ!!




あるわけないじゃん......


飛び過ぎた妄想をしたせいで夜はぐっすりと寝付けなかった。



次の日の朝、一緒に朝ごはんを食べるのにも昨日のことのせいで緊張してしまったけど、何とか何事もなくやり過ごすことができ、無事に学校に行くことができた。


教室の扉を開けると雷斗くんと三月さんが楽しそうに話していた。

席に座ると話している内容が聞こえてくる。

ゲームのことで盛り上がっているようだった。


「お~はよう!咲奈~」


「お、おはよう紅葉」


「なに~今日元気ないじゃん!なんかあった?」


「なんにもないよ~あと元気!」


「ほんとかな~(笑)」


ニヤついた顔で言ってくる紅葉。


話しかけられたから意識がそれたけど私...!!


不服そうだった...?


ダメダメ!!何考えてるの!!


ほんと誰かどうにかして~~~~~~~~~~~!!


彼を横目に見ながらそんなことを思っていると


「どうかした?」


ちょうど目が合ってしまい動揺を隠しきれずに目をつぶった。


「ご、ごめん!何でもない!!」


私は緊張のあまり何故か謝罪をして教室を出てしまった。




はぁ...何してるの私は...!


ひどいことをしてしまった...!なんか無意識に雷斗くんの方向見てたし!


それに気を配って話しかけてきてくれたのに私はなんてことを...!


いつもなら普通に会話できるのに昨日のことが頭から離れなくて変に意識してしまってる!


もうなんなの......


「さ~な!どうしたの?何かあった?」


「も、紅葉!?なんでここに!」


「どう見てもおかしかったでしょ!雷斗くんと何かあった?

 といっても、雷斗くんの方は気づいてないみたいだけど」


「一ノ瀬くんは何もしていないの、私が勝手に変な妄想したせいで...」


「変な妄想?気になるな~」


「いや何でもないっ!!」


「あっ逃げた」


どうしよう!!!紅葉にまた迷惑かけてしまう!!


そんなことはできないよ!!


このモヤモヤをなくすために何か手を!!


雷斗くんと三月さんはゲームが好き...




これだ!!!




一ノ瀬雷斗


学校が終わって家に帰ってからモヤモヤが続いていた。


今日の学校での出来事。


三月さんと話が盛り上がっているところを朝宮さんが度々見てきていたため僕に言いたいことがあるのかと思って(家庭関係で)話しかけてみたはいいが逃げられてしまった...


何故そんなに拒絶されているのだろう


僕なんかしましたかね!?!?!怖いんですけど!!


今日の朝ごはん食べるときとかすっごい気まずかったし!!ずっと横向きながら食べてるし目も合わせてくれなかった...


どうすんだよこれ...


「聞いてみるか」


僕はスマホを手に取り”NANASE”と書いてあるレインのトーク欄を開いた。


「三月さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいか?」


「なんでしょう?」

一分もしないうちに返信が返ってきた。

暇なのだろうか。爆速だな...

「単刀直入聞くが女子って急に怒ったりするのか?」


「雷斗くん彼女いるんですか!?そんな...仲間だと思っていたのに!!

 裏切りましたね!!許しません!!」


「彼女なんていないよ!彼女作れる人ならこんな負け組みたいな人生おくってない」


「すみませんそうですよね...雷斗くんに限ってそんなわけないですよね...」


「おい、悲しくなってくるからやめとけ!」


「僕のことは置いといてだ。どうなんだ?」


「そうですね~、私はいつもは怒らないところでキレそうになったりする時はたまにありますけど、人によるんじゃないですかね?」


「そうか~」


「怒ってる理由に心当たりはありますか?」


「それがないんだよ、そう、ちょうど三月さんが転校してきた辺りから気まずくなったんだ」


「私が?ということは同じクラスの女子ですか?」


「ま、まぁそういうことになるな...」


「今日も話しかけたら逃げられちゃったしな...」


「え??それ朝宮さんじゃないですか!」


「なんでわかるの!!!観察眼良すぎでは!!」


なんだこの人は!!そんなきずくことなんですかね!!僕の周りは人達はどうなっているんだ...


「いや分かりますよ!だってその時一緒に話してたじゃないですか!雷斗くんが話しかけたら逃げてましたし...それに私と雷斗くんが初日から意気投合してMMOのことで盛り上がってた時、ずっと雷斗くんのこと見てましたよ」



確かに言われてみればそうだ。それで僕が話しかけたらそっぽ向かれてしまったんだ。そこからだったんだ。


「つまり真相はヤキモチです!朝宮さんは焼いていたんですよ!」


「は???」


いやいやあるわけないだろそんなこと。あっちは学園一の美少女だぞ???

そんな人が僕を選ぶわけなかろう!!


すると例の人から”ご飯だよ”と声がかかった。


「すまん、ご飯だから落ちるわ、ありがとう、いろいろ頑張ってみる」


僕はそう言ってリビングに向かった。



ドアを開けた瞬間


彼女が立っていた。


「ごはん食べ終わったら一緒にゲームしない?」


とんでもなく予想していなかった言葉に動揺を隠しきれなかった。

     

                        つづく



あとがき


最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!

これから雷斗と咲奈のストーリーにご期待ください!

次話は一緒にゲームします!!!お楽しみに!!


                     立花レイ

























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