第6話 僕と美少女と転校生

お泊り会が過ぎた次の日の月曜日。

僕らのクラスに転校生が現れた。


「初めまして!成海高校から来ました!水月 七瀬です!よろしくお願いします!」


スタイルが良くみんなに好かれそうな明るい子だった。しかも可愛い。

すぐに告白する奴が出てきそうだ。当然クラスの男子どもはざわざわしていてガッツポーズをカマス奴までいた。まぁ分からなくもない。だってこのクラスには学園の美少女もいるのに対し、さらに追い打ちで可愛い転校生が来たわけだ。喜ばない男子のほうが珍しいだろう。


先生に言われて席に着いた転校生......んん??


後ろにいる~~~~!!!!なんでそうなるんだよ!!!

男子のイカツイ目線がこっちに向いている...

それもそのはず、学園の美少女と可愛い転校生が僕の近くにいるのだから。

運がいいのか悪いのかほんとに分からないな...

いや悪いな!これ!

確かに!確かにな!目の保養にはもってこいかもしれないぞ!!

ただ!この席緊張しすぎてまともに授業が受けられそうにない!

常に舞台の上に立っているみたいな感覚だ...

逆に居心地悪くなってないか??ほんとは男子皆が憧れる席なのに...

俺にはラッキーとか思っていられる余裕はないぞ...


「朝宮咲奈です!分からないことがあったらいつでも聞いてね!」


「咲奈さん!はい!ありがとうございます!」


隣の朝宮さんが優しく話しかけていた。

どんな人でも気さくに話しかけている彼女に感心する。僕にはそんなスペック搭載していない。やはりすごい人だ。

そんなことを思いながら前から回ってくるプリントを後ろに回す。


すると突然!!後ろから驚いた声が聞こえた。


「そのファイル!私も持ってます!ゲーム予約しないと貰えない超レアな奴ですよね!!まさか持ってる人がいるなんて!!」


「このゲーム知ってるんだ!初めてだよ知ってる人がいたの!」

(誰にも聞いたことないけど...もうなんでかは言わんわ!!)

「勿論知ってますよ!!楽しすぎて夜中までやっちゃって寝不足ですよ~」


「僕もだよ、MMOの闇だよね...」


「ですね...けど他のMMOより楽しくなりそうな気がします!まだまだアプデも来そうですし!期待しても良さそうです!」


「だよね!」


僕らが初対面でこんなに話しているのをみんながじーっと見ていた。


「あ、すいません...」


MMOオタクしか知らないようなゲームをこんな可愛くて明るい陽キャ感の強い人がやっているなんてと思ったらつい嬉しくなってしまってつい声をあげてしまった。


そして朝宮さんがこっちをジッと見てきていた。

「どうかした?」

僕がそう尋ねると彼女は「なんでもないっ!」と少し頬を膨らまして言ってきた。

え??なんか怒ってる!?!?どうして!?

変わった朝宮さんに気になったが転校生の水月さんの驚きのほうが勝ってしまってあまり深く考えなかった。


学校が終わりみんな下校し始めた。

僕もいつも通り帰ろうとしたとき水月さんが声をかけてきた。

「あの~すみません!!あなたのお名前聞いてもいいですか??」


そういえば言ってなかったな。話に夢中になりすぎて言うことすら忘れてた。


「雷斗、一ノ瀬雷斗だよ、これからよろしく」


「雷斗くんですね!よろしくです!!今度一緒にゲーム屋さん行きませんか?それとラノベとかも好きだったら本屋とかも!!」


「いいよ、また予定会う日いつでもいって」


「はい!じゃあレイン交換しませんか??」


「いろいろ情報交換とかもできるしな、いいよ」

ピコーンと音が鳴った。


「これでできたのか?あんがい簡単なんだな」


「今の時代はすごいですからね!...じゃあまた夜連絡してもいいですか?」


「それって聞くものなのか?笑 いつでもしてきてくれ、どうせ時間を持て余してるしな」


「分かりました!じゃあまた夜に~」


そう言って僕に手を振りながら教室を出て行った。


というか普通にタメ語で話してなかったか???

親近感があったのか自然とタメ語になっていた。別に悪いことではないが同じ趣味の人と話すと楽しくなってしまって無意識なうちに頭が友達?みたいな認識をするからついタメ語になってしまった。久しぶりに分かり合える人がいて楽しかった。


その夜、三月さんとゲームや漫画、アニメの話で盛り上がった。三月さんも性格は陰キャとは違う感じだが趣味は陽キャではなく、オタクと気があうものを趣味としている。こういう人もいるものなんだなと思った。

こんなに顔が整っている人がオタクだとなんか二次元ではないのかと疑ってしまう。

まぁなんにしろ、話せる人が増えてよかったと思った。



そして、なぜか家に帰ってきた時から朝宮さんの様子がおかしかった。


三月さんと話していた時から様子を伺っていたみたいだけど

話しかけたらそっぽ向いてしまった。

まさか焼いていた???


いやいやあの美少女が僕にね~・・・


いやないないない!!!


だったら何でそんな顔してたんだ~~~!!!!


その疑問が解決されないままギクシャクした一日が終わろうとしていた。







ええええ???この状況どうすればいいの?????


                      つづく





あとがき

最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!

これからどんどん面白くなっていくのでぜひ!期待しててください!

また次話でお会いできることを楽しみにしています。

また!今週!              立花レイ

















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