第5話 楽しいこと (お泊り編)
家に帰ってきたのは8時を回ったところだった。
「帰ってきた~、一日中歩き回ってると流石に疲れるな~」
「ほんとに死にそうなんだが...」
家に帰ってきた途端に力が抜けて疲れが一気に体全体に浸透してきた。
一日中歩くことなんて滅多にあるわけではないし、人生においてもほんの数回しかこの様な体力がいる出来事はなかった。というか避けてきた。
明日確実に筋肉痛になってるな~こんなに疲れるもんなのか...
僕も情けないな...楽しいことしたのに体はボロボロだ...
これがインドアのやつの末路だな...
それぞれ買った夕飯をレンジで温めてご飯を食べ始める。
「ん~~おいし~!」
頬を膨らましながら元気そうに食べている雪野さん
それに「これもおいしい!」と続けて言葉にした朝宮さん
この人たちは疲れていないのだろうか。
疲れた顔を一つせずに楽しそうに食事を摂っている。
本当にこの人たちの体力はどうなっているのだろうか。
そんなことを思いながら僕も口に入れた。
夕飯とお風呂を済ませ寝る準備に取り掛かっていた。
「夜はまだ長いぞ~!恋バナでもしちゃう???」
疲れた様子もなく元気な雪野さん
どうやら恋バナがしたいらしい。何故女性は恋バナが好きなのだろうか。
学校でカップルの噂が広まった時にはみんな興味津々でかかわりのない相手でさえも恋愛関係になってくると妙に詮索したがる。まぁ正直言ってしまえば何の噂だろうと首を突っ込んでいく女性は少なからずいるだろう。
「恋バナ?中学生かよ」
「いいじゃん!まぁあんたには恋愛なんて無縁だもんね」
「いってろ!いってろ!」
どの場面でもこの人たちは仲が悪い...どんな関係してんの!?って言いたくなるな!ホントに!!
「というか、何でみんなで寝ようとしているんだ...?」
別々でいいでしょ!?いやどこまで気にしないんですかね!!
僕ら男ですよ!?そんな女子でもあるまい!!男性と認識されてないんじゃないかと疑うよ!?しぜ~~んと布団敷いてたけどこの状況結構いけない気がするよ!?
僕が敏感すぎるのか???いや違う。あの女子二人組がおかしいだけなんだ!
夜同じ部屋で寝るんだぞ!!別に何もしないけどね!!!
この人たち危機感という能力を持ってない!なんて人たちなんだ...
どうもこの状況がヤバいということを分かっていないらしい。
この空間を何を感じていないのは相当肝っ玉が据わっていると思う。
「何言ってんの??雑談するからに決まっってるでしょ!」
「男子と一緒に寝るんだよ??嫌じゃないの??」
「そりゃ気にしなくもないけど?そんな度胸君たちにはなさそうだしいいかなって」
「な、なるほど...」
ごもっともな考えですね...
そうなんですよ、そんな勇気ないんですよ...そんなこと言えるくらい勇気あったらボッチになることなんてないですからね...これが陰キャです。一歩踏み出す勇気がないのです。
「もう朝宮さん寝てんぞ?」
いつの間に!と驚いた表情で見ている雪野さん
確かに早かったな。準備してすぐ寝てしまったんだろう。今日は沢山歩き回ったし疲れてないはずがない。
「やっぱり朝宮さんも恋バナしたくなかったんだろ、そんなくだらない話に付き合えるか~ってな!」
「そんなことないもん! まぁ今回はそういうことにしておくよ」
「なんだかんだで疲れたし俺らも寝るか!」
ホントに今日は疲れた。もう一か月は外出したくないな...
けっこうなHPを消費してしまった。
明日からはまた節約していくか...
こうして何も起こることなくお泊り会に幕は閉じた。
つづく
あとがき
最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!
引き続き頑張りますので応援の程よろしくお願いします!!
立花レイ
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