嫌いなものは、嫌いでしょうがない。でも……

 カクヨムでとある作家さんの食レポエッセイを、自作に活かそうと思いながら読んでいた。


 そこで、興味深い記事を見つける。


「はちみつ梅が嫌い」


 あーっ。


 わかる。わかりみがすごい。


 オレも正直、酸っぱい梅干しの方が好きだ。


 酸味の中に、ほのかな甘みがあるのが好きだ。


 事実、オレは田舎で昔作られていた「はちみつ漬けの梅干し」には、手をつけなかった。

 箸が進まないのだ。

 親も酒飲みだったので、そんなに好きではなく、しかたなく食べていた。

 しかし、やはり結局は腐らせて捨てていた感じ。


 それくらい、甘い梅干しは苦手だった。


 誰にだって、苦手はあるんだなと。


 オレも姉が作る水っぽいカレーは好きじゃない。

 身内なので、結構キツめに文句を言ったりする。


 作品も、合う合わないはあるんだろうなと思う。


 ただ、「嫌い」とだけ発言するのはいい。好みの問題だ。


 それを「消滅しろ」というレベルまで発言するのは、待ってほしい。


 スーパーは、甘い梅干しのほうが多いらしい。

 匂いの少ない納豆も売られている。


 それは、需要があるからだろう。


「なくせ」というのは、そういう需要を無視する行為だ。


 うちの親も、身内相手でさえ「嫌いだから甘い梅干しは作るな」とは言わなかった。

(作っていた人はもう亡くなっているので、過去形)


 オレも、「鮭児」とかいうやたら高級な鮭が出たとき、

「ただ辛い鮭が出たな」

 としか思えなかった。


 しかし、おかずはそれしかない。


 で、どうしたかというと、塩気を薄めるためにお茶漬けにして食べた。


 そしたら……うんまああい!


 また、納豆もガキの頃から嫌いだった。

 あるとき、声優の「小森まなみ」さんが「砂糖を入れて食ってる」と聞いてためしたら、


「うんまあああああい!」


 となった。


 こういう風に、ひょっとすると好きになる要素が出てくるかも知れない。



 オレも歳を取ると、甘い梅干しが好きになる時が来るかも?

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