うまくいかなかったときは「『自分の実力不足』と思ったほうがいい」理由

 もうすぐ、HJ後期の二次選考があるらしい。


 だが、もし落選したら、あなたはどう考えるだろうか。


 オレは一次で落ちているし、カクヨムの「電撃新文芸」も全滅した。

 そのとき、オレはこう考えるようにしている。


「自分の実力がたりなかったせいだ」


 なぜ、自分にムチをうつような言葉で自分を責めるのか。




 スタンフォード大学心理学教授、キャロル・S・ドゥエック著『マインドセット』という本に、こんな一幕がある。


 新体操の大会に出場した9歳の女の子は、ミスをしてメダルを獲れなかった。


 そのとき父親は、「お前の力が足りなかったせいだ」といった。


「おまえが一番うまい」となぐさめると、成長もしないし挫折から立ち直ることもできない。 

 嘘だとわかっているからだ。


「判定がおかしい」となると、評価を他人に委ねることになる。

 覆らない判定に、心を縛られることになってしまう。

 これは小説選考にしくじっている人に多く見られる。

「オレの方が小説がうまいのに」ってツイート、どれだけ見てきた?


「この競技で勝つなんて、たいしたことはない」

 これは、その競技をバカにしてかかってる。


「お前には才能がある」

 これは最も「危険な」なぐさめ方であるという。

 才能がありさえすれば、手が届くのだろうか。

 今入賞できなかった自分が、次の種目で勝てるのだろうかという恐怖にさいなまれる。



 よって、

「お前より努力してきた人がいたんだ」

 というなぐさめ方のほうがいいのである。

「本気で勝ちたいなら、今以上に努力しろ」と。


 結果、9歳の子は努力の末、メダルを手にした。



 これはどういうことかというと、

「周囲のせいにする、他人からの評価に委ねる」

 というのは、

「自分がいくら頑張っても、結果は覆らない」

 という

「固定マインドセット」

 にとらわれてしまうのだ。

 判断の基準が、自分にないのだから。


 こういう人は、なんでも他人や環境のせいにして、

「自分は悪くない」

 と努力しなくなる。


 これを「他責思考」というそうだ。


 

 逆に、「自責思考」とは、

「いっそ全部自分のせいにする」

 という思考である。


「自分の頑張り次第で、結果はちゃんとついてくる」

 という

「しなやかマインドセット」

 につながる。


 ただ、自分を責めるだけではダメである。


 ダメな自分を許し、

「今回の自分は、準備が足りなかったから、次は前もって準備しておくか」

 くらいの対策を取ることが大事である。


 ただ自分を責めただけだと、自分を否定しているだけなので、さらに成績は悪くなる。


 つまり、

「対策さえしていれば、同じ失敗を繰り返さない」

 という思考が身につくわけである。


 まあ、メンタルが異常に弱い人にはススメないが。


 こういう「自責思考」があると、グチも減り、自分のことだけに集中できる。


 失敗を人のせいにしていると、いつまでも成長しない。


 自分の失敗を覆せるかどうかは、自分次第である。

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