閑話 鐘の音
カーン
カーン
カーン
この世界、時計はあれど人の生活に寄り添うのは鐘の音。
鐘一つ。
暗い空が淡く色付き出す時を告げる光の音。
鐘二つ。
お日様すっかり顔を出し、皆の背を伸ばす風の音。
鐘三つ。
足をしっかり踏みしめて今日を良き日にと祝福を込める土の音。
鐘四つ。
糧をいただく火の音は喜びと感謝を心におさめて。
鐘五つ。
やがて来る影への恐れを静かにそそぐ水の音。
鐘六つ。
身を労り宿り木へと導く響きの木の音。
鐘七つ。
今日の糧を捧げ、明日へと繋ぐ夜の時を安らかに越える為の闇の音。
カーン
カーン
カーン
鐘が鳴る。
カーンと今日も鐘が鳴る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます