第9話 葵の本音/覚醒した葵

ラックは以前 

葵が父さんの事好きだと

話していた事を思い出した

そしてその発言にウソはなく

葵が父親を慕っていることは

間違いなかった!


でも何か人には言えない

葵親子の謎めいた境遇が

隠れているように思えてならない・・・


「葵ちゃん・・・」


「みなさん私の為に

心配かけてゴメンナサイ・・・」


「でも誤解しないで聞いて欲しいのですけど

今日父さんが来たのは

私を連れ戻す為ではないの・・・


それにわたしは以前のような

弱むしな人間ではありません!!」


「これまで父さんからたくさんの

暴力を受けてきたことは本当です!

でもそれには深い理由があって

今はゴメンナサイ!

まだ言えません・・・」


「でもいつか必ずお話ししますから

少し時間が欲しいのです!」


「葵ちゃん以前のような人間ではないって・・・

どういう事?」


「わたしはこれまで 

自分は何の価値もない人間・・・

暴力を受けるのは全部

自分が悪いからだと思っていたの

父さんに叩かれ・・怒鳴られて・・・

とても悲しくて

胸が痛くて・・・辛くて・・・・・

こんな私は生まれてこなければ良かったって

思っていたのです!


死んでしまいたかった!!

そして湖に身を投げ出して

死のうとまでしたの。。」


「えっ!?」

(自殺まで考えていた葵を見て

デルは突然泣き出して葵を抱きしめにいった)


「可哀そうな葵ちゃん・・・

私が・・・私が友達になって

ずっとずっと側にいるから約束するから!!」


「デルちゃん・・・

ありがとう」


「オレもだよ!

葵ちゃん!

これからオレ達3人は

葵の大の親友だ!

もし葵ちゃんをイジメる奴がいたら

オレがぶっとばしてやるから!」

(アニー)


「おっ!お前たち!

強くなったなぁ!!!」


まだ12歳と14歳の幼い子たちが

お互いを思いやり励まし合ってる姿に

ヨーデルは頼もしく感じていた


「葵ちゃん!

ダンさんは何にし来たの?」


「父さんは村長さんと仕事の約束があって

町に来たみたいだけど

おつかいに行く私の姿を見て

声をかけてきたのです」


■□■◆◇


「葵お前!

ヨーデルさんと町に行ったきり

帰ってこないでどういうつもりだ!」


「父さん....」


「あの日いきなり村長と

ヨーデルさんが家に来て

お前に関する一方的な申し出を言ってきやかって!

お前がヨーデルさんを

そそのかしたんじゃないのか?


そんなにオレと暮らすのが嫌か?

これまでお前の面倒をみてきた

恩を忘れやがったのか?」


ダンは強い口調で言い

葵に掴みかかってきた

そしてバランスを崩した葵は

地面に倒れてしまった・・・


(その時不思議な出来事が)

葵の身体が一瞬光を放った


葵はこれまでの弱い心ではなく

精神に強い意志が働きかけており

強い生命力が内が

湧き出ていることを感じた!


「父さん聞いて!!」


地面から立ち上がり 

そう言葉を発した時

強いスピリチュアルな風が葵から発した!!!!


「うっ・・・」

ダンは葵から今まで感じたことがない

強いオーラを感じた!


「私は 父さんのこと大好きよ!

本当の子どもでないのに

今まで育ててくれたこと感謝しています!」


そして母さんの失踪

父さんがどれほど大きなショックを受けたことか。。


「父さんが変わってしまったのはわたしのせい・・・

本当にゴメンナサイ!!」


「わたしはこれからサラさんのお店で働いて

みんなに役に立つ人間になりたいの!

お願い!このまま働かせて!」


(葵はワールドの世界に行き 

姿かたちは12歳だが

あきらかに精神年齢があがっていた!

葵はまだ自覚していないが

妖精族の加護があり 

葵が発する言葉には力があり

相手の心を捉える不思議な力を

身につけはじめていたのだ)


その事をまだ葵は知らない・・・


「分かった!勝手にしろ!!」

(そう言うとダンはその場から姿を消した)


葵は一瞬に力が抜け・・

はっ!と我に返った

なぜ父さんにあんな態度をとったのか?

突然恐ろしく感じてしまっていた


心のコントロールがまだできなかったのだ・・・


そして弱さのある心の状態で

お店に戻ってきたのだった


■□■◆◇


「そうなの?

葵ちゃん立派ね!

あんなにお父さんの事を恐れ怖がっていたのに!

はっきりと自分の意見を言うことができたのね!


偉いわ!葵ちゃん!!」

(もしかしたらあの料理を

食べて妖精族の力が葵ちゃんに・・・まさかね?)


「分かった!

葵の話が本当だとしたら

あの男も少しはやる気になっているようだな!」


「今回の葵の怪我は父親が

無関係とはいえないが今回は

大目に見る事にしよう!」


「みんな

それでいいな!」


「はい!」

(ラック アニー デル)

そしてエリーおばさんとサラ、カムイは頷いた


「では今晩はこの辺で解散するとしよう」


「アニー デル 

家まで送ってやるから馬車に乗りなさい!」


「葵ちゃん!おやすみ明日 

またお店に来るわね!

いっぱいお話ししましょう!」


「ありがとうデル!

 待ってるね!」


「オレ達も来るよ!

なぁーラック!」


「おお勿論だ!

葵ちゃんを守るのはオレ達の役目だからな!」


(何だがオレが葵ちゃんの友人だったのに

数が増えやがって!こいつら・・・)


「はいはい!

よろしく頼むわね!」

(サラ)


「おやすみ みんな!」


「おやすみ・・・気をつけて帰るのよ!」


みなはそれぞれの思いを抱きつつ 

帰って行った

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