ネトゲの嫁♂はサキュバス♀になって幸せになった
天界からの啓示により、巨人族が巨大な
南部の主要都市では厳戒体制がしかれ、サキュバス組合は守護魔人の召喚準備に取りかかった。
着弾した大陸間弾道ギガントゴーレムは、デカラビア、セーレ、ダンタリオンの各都市を経由しを経由し、アンドロマリウスへ向かう進路を取っていた。
アンドロマリウスには、各都市から高位等級の冒険者達が集結し、迎撃する準備を整えていた。
アヤナは、ミラと共に、集めていたありったけの精力を、マナ・ロンダリングして、アンドロマリウスの魔法陣へ注ぎ込んでいた。
アヤナとミラは、全裸で高揚しながら、魔法陣が描かれた床の上に座って寄り添って儀式の余韻を楽しんでいた。
ミラが頬を染め、息を切らしながら言う。
「はぁ……はぁ……、かなり生成できたわね」
アヤナが頬を染め、息を切らしながら返答する。
「はぁ……はぁ……、はい、お疲れ様でした。
でも、大気の様子が何か変じゃありませんか?」
「そうね。大気のマナが荒れ始めているようね……?
まるで大地が精力でみなぎってる感じ……。
サキュバスの本能を刺激する感覚があるわね」
ミラが余韻を楽みながら、アヤナにキスをする。
儀式の余韻が冷めない二人は、いつものように、求め合うようにキスをしばらく楽しんだあと、立ち上がって、同じシャワールームに入って互いの身を清めた。
街に放送が響く。
<現在、ギガントゴーレムは、デカラビアとセーレで撃退され、現在はダンタリオンで交戦中です。
いずれの都市も甚大な被害が出ている模様です。
極大魔法を使える方は、サキュバス組合のマナ・チャージチームと合流してください。
天界からグレイプニルが提供されています。
冒険者および各職員はグレイプニルの準備を開始してください。
ここから先は、守護魔人のいない都市が続きます。
アンドロマリウスで絶対に撃破しましょう>
アヤナとミラは、グレイプニルの準備をしている、街の近郊へ向かった。
ユウトとタツヤはマナ・チャージチームの方に向かった。
<ギガントゴーレムはダンタリオンを離脱、アンドロマリウスへ向かっています。
みなさん、準備を急いでください>
ミラが言う。
「なにこれ? すっごい精力が近づいてくる……おかしくなりそう」
アヤナが言う。
「採取したくて体が高揚してます。
でも、どうやって採取すればいいのか……?
うぅ、体が疼きます……」
周囲のサキュバスの様子もおかしくなっていた。
<ギガントゴーレムが近づいてきます!>
アヤナが言う。
「あれだ! ギガントゴーレムの精力ですよ。
あそこにとてつもないエナジーを感じます。
近づきたい……採取したい……」
ミラがアヤナを抱き寄せながら言う。
「……危険だから、我慢して、アヤナ。
しかしほんとにすごい精力ね。どうなってるの?」
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<守護魔人アンドロマリウス、召喚成功>
<守護魔人アンドロマリウス、ギガントゴーレムと抗戦開始>
<グレイプニル、準備開始>
<各グレイプニル、固定完了>
<グレイプニル1、ギガントゴーレムに打ち込み成功>
<グレイプニル2、ギガントゴーレムに打ち込み成功>
<グレイプニル3、ギガントゴーレムに打ち込み成功>
<グレイプニル4、ギガントゴーレムに打ち込み成功>
<グレイプニル5、ギガントゴーレムに打ち込み成功>
<グレイプニル6、ギガントゴーレムに打ち込み成功>
<捕縛結界起動! ……起動成功!>
<守護魔人アンドロマリウス、活動限界により離脱>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<ギガントゴーレム、依然無傷のようです……>
みんなのマナが枯渇し始めた。
グレイプニルはまだ耐えられるようだが、いつ外れてもおかしくなかった。
アヤナが言う。
「採取してみましょ?
どうせマナが足りないから極大魔法は撃てないし……。
私、もう、限界です」
ミラが言う。
「……そうね。流石に私も限界。
グレイプニルを信じて近づいてみましょう」
アヤナとミラに呼応するように、サキュバス達がギガントゴーレムに近づいてゆく。
<サキュバスのみなさん、危険ですからギガントゴーレムには近づかないでください!>
<繰り返します! サキュバスのみなさん、危険ですからギガントゴーレムには近づかないでください!>
サキュバス達は、本能の赴くまま、ギガントゴーレムの捕縛結界を取り囲むように集結した。
そして、本能に従い、精力を吸い上げる儀式を始めた。
ギガントゴーレムは、最初は暴れまくったが、すぐに気持ちよさそうに大人しくなった。
そして、サキュバス達は膨大な、精力の採取に成功した。
中にはオーバーヒートして倒れたサキュバスもいた。
放送が再開された。
<ギガントゴーレムの熱源反応が急速に低下しています!
ギガントゴーレムの耐魔法シールドの無力化を確認、チャンスです!
手隙の冒険者は、倒れているサキュバスの回収を急いでください!>
アヤナ達は、極大魔法の使い手と合流した。
ユウトがアヤナに声を掛ける。
「アヤナ、こっち。
なにがあったの?」
アヤナが答える。
「わからないけど、精力を吸収したらこうなった……。
私がユウトにマナ・チャージするね」
ユウトが言う。
「よろしく、ボクの嫁!」
放送が轟く。
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!」
<マナ・チャージ!>
<ギガントゴーレムの内部コアが露出、集中攻撃してください!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<マナ・チャージ!>
<もうすこしです! がんばりましょう!>
アヤナは、ユウトにありったけのマナを注ぎ込んだ。
<極大魔法、一斉射出、開始!>
<ギガントゴーレムの内部コアの破壊に成功!
ギガントゴーレムの撃破に成功しました!>
破れるような大歓声とともに、アヤナとユウトは抱き合うように座り込んだ。
「アヤナ、大丈夫?」
「うん、マナ使いすぎてちょっと疲れただけ」
ユウトは、アヤナを抱き寄せて、甘いキスをした。
アヤナもキスに酔いしれた。
……
事後処理もひと段落し、アヤナとユウトは拠点に帰った。
そして、いつもよりたくさん愛し合った。
二人は寄り添うようにベットに寝転がっていた。
アヤナが言う。
「私、幸せだよ」
ユウトが言う。
「どうしたの急に?」
アヤナが言う。
「ネトゲでユウトの嫁やってた時のこと思い出した」
ユウトが言う。
「そう?」
アヤナが言う。
「当時はゲームをしていた時だけ感じていた幸せだったけど、
いまはその幸せな感じがずっと続いてるの」
ユウトが言う。
「ボクにとっては唯一の逃げ場だった。
ボクだけ幸せを満喫して、アヤナには悪いことしちゃったって思ってた」
アヤナが言う。
「全然違うよ?
今更だけど、実はすごくドキドキしてたの。
私がユウトの彼氏じゃなくて、彼女やってたんだよ?
最初は、変な感じだっけど、それがいつの間にか心地よくなってた」
ユウトが言う。
「学校でも、ゲーム内みたく接したかったな」
アヤナが言う。
「私もそれ考えたことあるよ。でもそれは無理だった」
ユウトが言う。
「だね。さすがに無理だよね」
アヤナが言う。
「二人でいる時間だけみんなに内緒で、そう言う関係になりたいって思ったこともあるけど、ユウトに気持ち悪がられると思って、我慢してた」
ユウトが言う。
「ボクもだよ」
アヤナが言う。
「私はさ、ユウトに
アヤナ=キタシロとして、ユウトの彼女なりたかったんだ。
いまならわかるよ。
私たちの愛は、あの当時から本物だった」
ユウトが言う。
「ありがと。そう言ってもらえて嬉しい。
ボクもアヤナが好きだった。
あの、ありのままのアヤナを愛していた。
そして今は、そのアヤナが現実にいるんだよね」
アヤナが言う。
「うん。私、幸せだよ。ありがとね、ユウト」
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