日課

 ユウトの協力で、アヤナは冒険者として急成長し、さらに1ヶ月ほど経つと、15番目の猫目石等級に上がっていた。高難易度の任務もこなせるようになり、目標の銅等級まであと2等級となっていた。文字の読み書きも必要レベルまで習得し、受付係の入所試験の準備は想像以上に早く進んだ。



 就寝前、すでに日課となったユウトのアレの処理をアヤナがしていた。


 ユウトが言う。

「なんか、ごめんね。

 結局、毎日してもらうようになっちゃったね……」


 アヤナが言う。

「魔力がみなぎる、健全な男子ならしかたないよ。

 むしろ放置しててごめんね。なかなか言い出せなくて……。

 男子は、そう言うものだと思って楽しんでね」


 ユウトが言う。

「ありがと。

 ちなみに、ボクから吸い上げた精力ってどうなるの?」


 アヤナが言う。

「魔力とは別の領域に保管されてるよ。

 大量に保管できるから、大丈夫。

 必要な時はマナに変換して、再利用できるの」


 ユウトが言う。

「へー、そうなんだ。

 有効利用できるのか。

 彼女にエッチなことさせて、ちょっと罪悪感あったから、安心した」


 アヤナが言う。

「魔力の貯金をしてると思えば気が楽だよね?

 でも、元女子のユウトもすっかりエッチな男子になっちゃったんだね」


 ユウトが言う。

「あはは、そうだね。

 その代わり、元男子のアヤナは、アレの処理までしてくれる、すごく色っぽい女子になったけどね」


 アヤナが恥ずかしそうに言う。

「……心を揺さぶられるどころか普通にブーメラン返すとか、どんな完璧イケメンだよ。

 ユウトには、まるでかなう気がしないよ……」


 ユウトがアヤナを抱き寄せて言う。

「キスしよっか?」


 アヤナが頬を染めて返す。

「……うん」

 

 ユウトが、アヤナに甘い口づけをする。


 ユウトが言う。

「どう?」


 アヤナが頬を染めて言う。

「……恥ずかしい」


 ユウトが、もう一度、アヤナに甘い口づけをする。


 アヤナは目がトロンとして何も言えない。


 ユウトが言う。

「可愛いね。すっかりしおらしくなっちゃって」


 ユウトは、さらにもう一度、アヤナに甘い口づけをする。


 ユウトが言う。

「愛してる」


 アヤナが恥ずかしそうに言う。

「………ありがと。もういっかい処理するね」


 ユウトが嬉しそうに言う。

「うん、よろしく」



……



 ギルド併設の酒場に、休憩時間を利用してミラさんがお茶を楽しみにきていた。


 ミラが言う。

「アヤナも猫目石等級の一人前の冒険者になったから、そろそろこの街の組合のことを教えておくわね」


 アヤナが言う。

「組合ですか?」


 ミラが言う。

「うん。大陸にある72の主要都市にはね、黒魔術の巨大な魔法陣が組み込まれていて、いざと言う時に、強力な守護魔人を召喚できるようになっているの。このアンドロマリウスもその一つなの」


 アヤナが言う。

「そうなのですか」


 ミラが言う。

「それでね、守護魔人を召喚するには膨大な魔力が必要になるから、魔法陣の維持管理運用は、各都市のサキュバス組合が担当しているの。そろそろアヤナにも参加してもらおうと思ってるの。アヤナの冒険者証を見せてくれる?」


 アヤナは、冒険者証をミラに渡す。


 ミラが嬉しそうに言う。

「すごいじゃない、いつの間にこんなに精力を集めたの?

 偉いわね。本当に、良い娘ね。

 もしよかったら組合に参加してくれるかしら?

 様々な特典もあるし、貢献度に応じてギルドから謝礼金もでるわよ」


 アヤナが言う。

「私にもできることであればよろこんで」


 ミラが言う。

「ありがと。詳細はまたあとで説明するわね。

 組合の総会は、満月の翌日にギルドの5Fで開かれるから、ぜひ参加してちょうだいね」


 アヤナが言う。

「わかりました。よろしくお願いします」


 ミラが言う。

「これからもこの調子で精力を集めてね?」


 アヤナは、恥ずかしそうに言う。

「……はい」



……



 再び、就寝前。日課であるユウトのアレの処理をアヤナがしていた。


 ユウトは嬉しそうに言う。

「最近、さらに積極的になってくれて嬉しいよ」


 アヤナが言う。

「街への貢献になるなら頑張らないと。

 いつもユウトに助けてもらってもらってばっかりだしね」


 ユウトは優しく言う。

「そういうことなら喜んで協力するからね。おいで」


 ユウトは、アヤナを抱き寄せて甘いキスを楽しむ。


 アヤナが高揚しながら言う。

「……任務に支障がでない程度にしてね」


 ユウトが言う。

「わかってる。体力には自信があるからまだいけるよ」


 アヤナが言う。

「すごいね。そんなに余裕があったんだ。

 サキュバスを数名はべらしている魔人を見かけるのはそういうことか……」


 ユウトが言う。

「仕事と思わず、一緒に楽しもう」


 アヤナが恥ずかしそうに言う。

「……うん。そのさ……ちょっとだけ、その先も試してみたいのだけど」


 ユウトが言う。

「キスだけじゃ欲求不満になった?」


 アヤナが恥ずかしそうに言う。

「……恥ずかしながらそうみたい」


 ユウトが言う。

「嬉しいよ」


 

 ……


 

 事後。

 二人は寄り添ってベッドに寝ていた。


 ユウトが言う。

「大丈夫?」


 アヤナが言う。

「……痛い」


 ユウトが言う。

「まぁ、初めてなら仕方ないよね。

 でも、幸せそうな顔してるね?」


 アヤナが言う。

「うん、なんか嬉しい……痛いけど」


 ユウトが言う。

「そっか、ならよかった。

 ボクもついに男になれた気がして嬉しいよ。

 女性として男性のボクを受け入れてくれてありがとね。

 アヤナには、とても感謝してる。

 アヤナのこと、もっともっと大切にするからね。

 これからもたくさん愛を育もうね」


 アヤナが言う。

「……うん」


 ユウトはアヤナと甘いキスをした。



 そして、ゴエティアにきてから約1年後。


 アヤナは銅等級の冒険者になった。ギルドの受付係の入所試験も無事合格し、晴れてギルドの受付係になることができた。


 ユウトは、ミスリル等級の冒険者になり、アンドロマリウスだけでなく、他の街にも名を馳せる有名人になっていた。

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