第3話 クラスメイト
大学に向かう電車の中、僕は昨日のことを思い出していた。せいやはなにをしてる人なのだろうか。まさか本当にただの旅人だったのだろうか
この時代にそんな人いるのだろうか。
あの歌はなんていう歌だろう。
気がつけば昨日のことで頭がいっぱいになっていた。考えるのはやめよう、そう思いながら電車を降りた。
大学は自宅から電車で一本のところにあった。
家を出てから電車で20分くらいのところにある。
通学にはちょうどよく、家賃も安かったのもあって今のアパートに一人暮らしをしている。
キャンパスに着くとどこからか聞き覚えのある自分の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
せいや「たつま〜!」
そこにいたのはせいやだった。
僕は驚いて言葉を失った。
たつま「せいやさん、、
なんでここにいるんですか?!」
せいや「いや、俺ここの生徒だから!
先週やっと引っ越し終わって今日からなんだ」
たつま「え??せいやさんって何歳ですか?」
せいや「18だよ?」
たつま「年下だったんだ」
少し損をした気分になった
せいやは今日もギターを背負っていた
たつま「ギター、、いつも持ち歩いてるの??」
年下とわかった途端タメ口かって思われたくなかったが敬語を使い続ける気にはなれなかったので出来るだけ丁寧に聞いた。
せいや「そうだよ!また聴きたかったらいつでも 聴かせてあげるから言ってな!」
せいやはタメ口をやめる気はないらしい
たつま「歌手目指してるの?」
せいや「そう、武道館行くんだ」
真っ直ぐなやつだった
少し古臭くも感じた
そして僕はこの古臭さを嫌いにはなれないとなんとなく思った。
たつま「じゃあさ、何か弾いてよ」
せいや「いいよ、なにがいい??」
たつま「昨日みたいなのよりゆっくりなやつがいいな」
せいや「よし、、それじゃあ、、」
少し考えてからギターを取り出しゆっくりと弾き始めた。キャンパスの広場でギターを弾くやつなんて見たことがない。しかし僕は昨日ほどせいやを変な奴だとは思わなくなっていた。
こいつならやるよな、、昨日会ったばかりのやつを少し理解し、そう思ってた自分に少し驚いた。
「多忙な仕事あってこそ優雅な生活
なのにやりきれぬ Oh sunday morning
愛を語らい合って過ごしたいけれど
悩める事情にさいなまれ
陽は傾き街は3時 少し遅い君とのランチ
後ろめたさで微かに笑顔が沈んじゃうのは
仕方がないけれど
3カ月前の再会から思ってもない様な急転回
今じゃ もっと彼女に恋をして
もう 振り出しに戻れるわけない
「ただのクラスメート」
そう 呼び合えたあの頃は a long time ago」
どお?
そんな顔でせいやはこっちを見ていた
たつま「思い出した」
昨日からどこかで聞いた声だと思っていたのが今気がついた。イヤホンのバッテリーが切れた帰り道、聞こえた歌声の正体がせいやだと。
たつま「いい、、なんて歌?」
せいや「ミスチルのクラスメイト」
青空の真ん中にある時計からチャイムが鳴った
僕らは慌ててそれぞれの授業に向かう。
今度は僕が先にまたねと言って。
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