第22話

俺達の運命の歯車はぐるまは、このまま狂って行くのか…

それともハッピーエンドが待っているのか…

その奇妙なラビリンスは、口を空けたまま、

俺達を飲み込もうとしていた…

そして、

…この時の俺は…まだ…そのことを…



ジロー

「なぁー!だったらその傭兵達に、警察の犬を調べてもらえばいいんじゃない?簡単じゃん。」



黒さん

「笑、そんなくだらないこと…頼めねぇーよ!。」


ジロー

「は!何がくだらないの?重要なことだろ!。」


黒さん

「だ、か、ら、彼らが今、日本に居ないのに、そんなことのためにいちいち呼べるかよ!ってんだよ。」


ジロー

「ふー、だから、くだらなくないだろ!

呼んでくれよ!今こそ一大事いちだいじじゃないのか?!。」


黒さん

「だったらジロー、お前の今回の取り分 全額ぜんがくにプラス三千万 はらえるんだろうな?

払えるなら、口きいてやるよ!今すぐにでも呼んでやるよ!どうだ?。」


ジロー

「…そ、そんなに…高いのかよ!チ、どんだけふんだくるんだよ!くそ…だったら四人で出し合おうよ!俺だけ払うのはおかしいよ!。」


黒さん

「…お前なー、潜入潜入ってうるさいのはお前だけなんだよ!潜入は居ねぇよ!。

そんなに知りたいなら、ジロー!てめぇが一人で払えって言ってんだよ。」


鮫頭

「ジローよー、そりゃが張るだろ!当たり前だろがボケ。お前、何年この稼業してんだよ。」


「なぁージローちゃん、もういいじゃねぇかよ。警察の犬…潜入は居ねぇーよ!。

それに黒さんの事だ…この仕事に入る前に、入念にゅうねんに調べあげてるって!大丈夫だって!。」


さっき迄死にそうな位、ドキンドキンと躍っていた胸が、今はとても静かに、そしておだやかに鳴っているのが分かった…。

俺は自分でも不思議ふじぎな位、強気でハッキリとした口調で、ジローへ言ってのけていた。

この俺の強い言葉に、ジローも軟化なんかしたのだ。


ジロー

「ああ…何だかそんな気がしてきたかも笑。

そうだよな!潜入なんか居ないよな!。」


鮫頭

「ふふん、そうだぞジロー!居ねぇから安心して、今日は明日に備えようぜ!笑。」


「そうそう!みんなで一致団結して、

明日は脱出しようぜ!笑。」


黒さん

「うんうん、そうだぞ!皆が一致団結して事に当たれば、必ず脱出できるってもんだ!。

そんで、俺達の楽園へ行こうぜ!なぁ。」


「いいね…俺達の楽園か…

よし!みんなで声合わせて、俺達の楽園

へ、かけ声合わそうぜ。やろうぜ!。」


黒さん

「しょうがねぇな笑。よし、じゃあ皆で水宇羅に合わせろ!いけー水宇羅!。」


「よーし!行くぞー!。

俺達の、楽園へ、行くぞーーー!!。

せーの!。」


みんな

「俺達の、楽園へ、行くぞー!アハハハ。ワハハハハハ。」


「最高ー!。」


鮫頭

「酒ねぇーのかよ!。いやービールが飲みてぇ!。」


黒さん

「確かに!。酒呑みてえな…。」


ジロー

「…ふぅー。」




こうして俺達は、つかの一体感を感じながら、しかし、疑心暗鬼ぎしんあんきの気持ちも持ちながら、

来るべき時を、待つのであった。


その先に…あんなことが…あんなことが待っているとは…


夢にも想わずに…







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