41.ようやく発表

 いやいや、中共と戦争してたのは日本だよ。

 お前らに占拠する権利なんかねーんだよ。


 日本軍はそれら独立勢力と抗争、壊滅状態に陥れた。

 これを持ってようやく中共全土で戦闘が終了し、日本の支配下に置いた。


 この国の人間は本当に厚かましい。

 さも自分たちが中共党を打倒したがごとく、地方行政府を占拠していたんだからな。


 日本で言うと第二次世界大戦で日本が戦争に負けた途端に、それまで日本の庇護にあった自分たちの身を顧みずに勝ち組に加わろうとして、頑張ったけど戦勝国にはカス扱いされてたあの国と一緒だよね。


 そういえば、あの国も今回日本に宣戦布告してたよな?

 戦闘機はまともに飛ばず、潜水艦は漏水で緊急浮上して、船舶は日本の海軍により撃破されていた。

 もうあの半島事焦土にして全部焼いちゃいたいんだけどね。


 そうもいかない。


 中共、北の国、半島国家ともに日本の占領下におかれ、即日から制度改革に乗り出した。


 まず、この国たちには教育からやり直さないといけないんだよな…。

 愛ちゃんにお願いしてリラックス・ポットのさらに機能限定版としてラーニング・ポットを作ってもらった。

 これには身体能力の向上などの効果はない代わりに効果的に再教育するプログラムを学習させた。


 人のものを取らない、奪わない。命は大事にする。人をだまさない。

 ……人としての最低限のモラルを教育しなおした。


 これは中共他の全国民を対象とした。

 全部終わるには半年ぐらいかかりそうだ。

 それでも10万台ほどのラーニング・ポットを導入してたんだけどね。

 それと、中共、北の国ともに戸籍調査を行った。

 とにかくどこのだれかがわからないと対処のしようがないからな。

 その上で、民族ごとに固まっている地域は、そのまま自治区として認定し、独自の風習、文化などを保護して、それぞれが生きていきやすいように制度を変えていった。

 基本的人権の尊重など日本国憲法にもいいところはたくさんある。

 日本占領下になったんで、君たちも日本人としてルールを守ってね。


 むしろ問題は戦争に参加していなかったほかの国々だ。


 世界中から第二次世界大戦のことを引き合いに出し、日本は責められた。

 日本国憲法も戦争の放棄条項はすでになく、国際的にも正当な専守防衛で、この戦争を乗り切った。どこからも文句を言われる筋合いはない。


 その上、日本バッシングが起こりかけたタイミングで日本独自の技術として常温核融合発電装置、重力制御装置、放射能除去装置、土壌改善装置、水質浄化装置、ごみ処理装置、大容量バッテリーシステムが発表された。


 日本には世界中から技術情報の開示請求が行われていた。

 そしてこれまた世界中から工作員やスパイが日本に潜入しようと画策していたがすべて水際で阻止出来ていた。


 これは愛ちゃんの機能をレベルダウンして、日本で開発できた【AI-2】通称愛ちゃん二号(決して南極ではない)が大いに活躍したからだ。


 これは出入国管理システムや監視衛星の映像、各種防犯カメラの映像などを瞬時に解析し、密入国者や工作員を見つけ出し、捕獲するシステムだった。


 この愛ちゃん二号のおかげで、日本国内から密入国者や不法滞在者が一掃された。

 東京や大阪のある町ではほとんどゴーストタウンになるほどの効果があった。

 また、このシステムは金融のシステムとも連動し、該当者の銀行口座の封鎖やカードの使用に対する制御を行うことができた。


 これにより日本からパチンコがなくなりつつあった。

 唯一残ったのはゲームとしてのパチンコであり、換金できるシステムを管理していた暴力団などがその数を減らしたことにより、業界そのものが成り立たなくなっていた。

 また、証拠を集めてから検挙に踏み込むため、誤認逮捕がほぼなくなっていた。


 日本が独自で開発した(帝国の基本技術や概念はそのままに日本の技術者が日本で手に入る素材で開発した)これらの技術はその特殊性から特許申請は行っていない。特許申請するためにはその理論も構造もすべて記さなければいけないため見送ったのだ。

 これらの技術は即国防に直結している。

 すでに量産体制にめどがついていたこともあり、日本の発電はほぼすべてが常温核融合発電機に切り替わった。


 これは今回特にこだわって、日本の道路交通法上、トレーラーとして引ける大きさにこだわって作ったため、開発が終了した時点ですでにモジュール化出来ていたのが大きかった。40ftコンテナの大きさですべての機器が統一されていた、

 もちろんバッテリーは別だ。

 大容量バッテリーはタブレットサイズで車なら新たに開発された無音モーターを使って500㎞を走れるように設計された。

 これは効率が革新的に上げられたおかげでもある。

 これらの技術はバイクや各種建設機械、船舶などにも応用され開発されていった。

 これらの開発の所為で化石燃料依存の様々な機器はすべて置き換わっていった。

 常温核融合発電に必要なエネルギーは水だけだ。

 水を電気分解して水素を取り出し、その水素を核融合発電の熱量が取り出せるように工夫している。


 大容量バッテリーはその形状からバッテリーボードと呼ばれ、ボードステーションがガソリンスタンドに取って代わった。

 ボードステーションには、常温核融合発電装置が備え付けられており、常時入れ替えて充電していくことで需要を満たしているため、バッテリーボードの寸法は規格統一されていた。


 放射能除去装置はその発生する光線を上空から照射することで放射能を中和するため、宇宙軍がその任を担った。

 福島をはじめ、常温核融合発電装置に電力が置き換わった時点で次々と原子力発電所を廃炉にしていった。

 海外からの引き合いは多いがまだその運用方法が決まり切っていないため、見送っている。


 土壌改善装置は砂漠を緑化するために大いに活躍した。

 これは砂漠の砂をより細かく砕き、有機物と合わせることで粘土状の土に変化させ、その状態でようやく植物が生息できる土壌となった。砂漠はその範囲が大きいためにトレーラータイプのものが走行しながら土壌改善を行うものとなっている。そのため広大な砂漠などを緑化するためには台数も時間もかかることになる。


 しかし、今まで砂漠化が進む一方だったところの緑化が成功することでアフリカなどのODAとして、レンタル供給されていった。


 日本への見返りはその土壌で作られた農作物になる。


 また、この機械は有機物やバクテリアの種類を変えることで、河川や海底のヘドロの浄化にも役立った。

 その場合はポンプ車と組み合わせることで浄化できた。


 日本の河川は土壌浄化装置と水質浄化装置、ポンプユニットの3台のトレーラーを1セットとして次々に浄化されていった。

 これらは大手ゼネコンや下水道事業者に販売され、次々と環境改善のための会社が設立されていったり、業種変更する会社が増えた。


 これらは海洋産物の養殖場などには据え付けで置かれてフル稼働することになった。

 このことにより、日本近海の海はかなりきれいなものになっている。


 ごみ処理装置もこれら浄化プロジェクトにはかなり重宝されている。

 海洋汚染の一因であるプラスチックごみやビニールごみなどはそれらの回収装置とともに船舶に乗せられ、現場でそれぞれ分解されていった。

 また、夢の島などへも大量投入され、徐々にごみの量を減らしていった。


 ごみ処理についてはどう分解したところでその現素材として何らかのものを残してしまう。

 しかし、それらを自然由来のものに分解していくだけで、ごみの量は格段に減っていった。

 また、それらの処理素材を利用した様々なリサイクル素材が生み出され、建築資材や工業製品に流用されて行っている。


 河川の浄化が行われるにつれ、河川に放棄されていた自転車などの鉄製品なども問題視され、金属ごみを溶解して、インゴットにする装置も開発された。

 このインゴットを再び製品として加工する業者も増えていった。

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