第5話
いばらの道
航と七海の幼稚園の送り迎えは、ペーパードライバーの私が、みなみも乗せて毎日運転することになった。
往復時間よりも、子供達をチャイルドシートに乗せる時間の方がかかるんじゃない?
ベンツで幼稚園の角を曲がれない無理だよ。
横浜の社宅の時、ベンツの左ドアを交換するほど、駐車場の柱にぶつけた事もあり、蒼太に、お願いして、マーチに買い替えた。
ゴメン、ベンツに乗りたい時は、パパのベンツを借りて!って頼んだけど、ベンツ売っちゃうんだって、ガッカリしていた。
父は、朝海の車はクーラーが付いているのか?と心配している。
パパ大丈夫、今の日本車はクーラーもナビも付いてるんだよ、と安心してもらう。
航のサッカーの応援、七海のピアノとバレエの送り迎え、みなみが急に奇声をあげるので、とにかくストレスが溜まる。
ご近所さんや、ママ友にみなみは怪獣と呼ばれている。
その分、航と七海は手が掛からない子たち。
色々、我慢しているかな?ゴメンね。
航は、幼稚園で描いた絵を絵画コンクールにエントリーされていて、金賞を受賞。
あの元総理大臣が日本の子供の絵として外交に持って行ったのだそう。天才だ!
直ぐ近所のアトリエに通わせる事にした。
(千住 博さんみたいになったりして.,. )
サッカーチームではMFでまるで中村俊輔みたいだ!ループシュートとか、ハットトリックとか、してしまう。
パパ友に、「航カッコイイ!航のパパになりたい!」とか言われたり
世田谷トレセンのテストでリフティングが1番だったりする。
七海は50人程いる幼稚園のソルフェージュ教室で1番に!ピアノを大先生に習う事になった。(みんなは、大先生のお弟子さんに習っている。千住 明さんみたいになったりして...)
だから、みなみには、千住 真理子さんみたいになって欲しいなぁなんて思ったり...。
蒼太には、相変わらず毎晩5〜6時間、怒鳴られ、家中の物を私に当たらないように投げつけられている。
私よりも、家事も子育ても出来る人がいるから死んで欲しい、と言われる。
キャッシュカードや、クレジットカードも取り上げられ、生活費は1日500だけテーブルに置いてある。
食事や子供達のお弁当まで文句を言われる日々。
子供達の欲しい物は週末に蒼太が一緒に買いに行く。
商社マンだから、お金がない訳じゃない。
ママ友達は、新築の田園調布のマンションでパパは商社マン、実家は歩いて5分の私を恵まれている、と思っている。
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