第3話
スウィートマイホーム
晴れて横浜の社宅を卒業した。
長崎や佐賀も好きだけど、生まれ育った田園調布は、やっぱ落ち着く。
大好きな、あのケーキ屋さんのロールケーキとかチョコレートとかはデパートでは買えないし、鶏料理のお店のモツ煮や、お腹が空いた時に駆け込み、実家のぬか漬けでお茶漬けを食べられることは最高だ!
ぬか漬けって、奥深くて、おうち毎に味がちがう、浅漬けだからとか深漬けだからじゃなくて、長年の色々な野菜の味がブレンドされている気がして、いつか私も、おばあちゃんのぬか漬け美味しいって言われたい。
子供の頃、嫌なことがあると自転車で多摩川に行って、夕陽や富士山を眺めてリフレッシュしていた。
東京だけど、駅前の銀杏並木だけじゃなくて、緑が多くて、宝来公園とか、多摩川台公園とか、せせらぎ公園とか暮らすには良い街だ。
歩いて5分の実家は、スープの冷めない距離で、同居とは違い良い関係になれる。
父は初孫で男の子の航が可愛くて仕方ないらしい。
ウチは、女系家族で父もお姉さんが4人いるし、私は3人姉妹、母は義母に5人産めば男の子が生まれる、と言われたらしい。
父は航に子供用の110センチのゴルフクラブを買ってくれた。
母は七海を母と私が通っていた母校へ、中学受験させる気満々だ。
三代続けて入学出来る日を楽しみに、バザーに連れて行ってくれたりする。
個性を大切にしてくれるミッションスクールだから、学生時代は楽しかったし、生涯の友にも巡り会えた素敵な母校だ。
蒼太も父のゴルフクラブの親子コンペに出て優勝したり、ハンディ1の父に教えてもらって、ゴルフが上達した。
父は、男の子が欲しかったから、蒼太を凄く可愛がっている。
航は、私が通っていた幼稚園に編入し、七海も4月から幼稚園生、やっと育児も一段落しそう。
新居の家具や電化製品を揃えるのも楽しい。
食洗機買っちゃう?とかルンバも欲しい。
テラスで、ビールを飲んだり、夏にプールを置いたり、花火をしたりしよう!
蒼太は結婚する時、子供は5人欲しいって言ってたけど、マンションは3LDKだし、男の子と女の子が生まれたのだから、子供は2人でいいよね、と蒼太と約束した。
正直4才の航と2才の七海を育てていると、色々大変で、子育てを楽しんでいるか、時々自問自答してしまう日がある。
週末のオヤツは手作りしたい、とかレッスンバックも航や七海の好きなオリジナリティのある物にしたい、育児は楽しみたい。
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