第2話 日課
ラストオーダーAM3:30 営業終了AM4:00
パパっと片付けて自宅に帰る。
お店から歩いて20分くらいの場所に私の家はある。
電車は好きではないので、なるべく乗らないようそこにした。
1Kトイレお風呂別々の3階アパートに住まわせてもらっている。
このアパートは“仲間”が経営していて、割安で住まわせてもらっていて繁華街に近いのにこの値段はありがたい。
しかも、私のために北側のなるべく涼しい部屋にしてもらった。
人間にはあまり人気のない部屋なんだそう。
ラッキー。
家に帰ったらすぐにお風呂の準備。
毎日水風呂に氷を入れるから一苦労はあるけど、ちょうどいい温度に調節できると幸せな気分になる。
大体2時間くらい、本を持ち込んで長風呂をする。
その日の気分でスクラブや泥パックする時間も好き。
仕事終わりのお風呂の時間はずっと大切にしてきている。
そして、お風呂からあがったらしっかり保湿。
乾燥肌だから気を抜くとすぐにカサカサしてきてしまう。
私はあまり気にしてなかったんだけど、人間の男性はそういうとこに目が行くみたい。
だから気をつけている。
髪の毛にもクリームを塗りこんで、基本的に自然乾燥。しばらくの間、扇風機の風にうたれながら過ごす。
ドライヤーを使ったことあるけどうるさいし、暑いから使いたくない。
そのあとは思うように過ごす。
映画を見たり、本の続きを読んだり、音楽聴きながら寝たり...、気ままに過ごせるのが好き。
大体お昼過ぎくらいに起きて、また仕事の準備を始める。
髪の毛のセット、メイク、洋服選び、買い出しするものはないかを確認して仕事場に向かう。
今日はワイン買い足さないといけない。
一応3本買っておこうかな、あのお客さん1本飲んでも酔って無さそうだったし。
また来ると言っていたけど、いつ来てくれるだろう?
あの人と話している時間は、しばらくぶりに楽しい時間だった。
けど、BARなのに赤ワインしか飲まないのにはちょっとびっくり。
どことなく不思議なオーラはあったけど、すぐに遊ぼうとしてきたからちょっと残念。
ん…?残念?
何考えているんだろう。
もう人間は恋愛対象として見ないようにしてきたのに。
BARは趣味として始めたのに出だしからこんなんじゃだめじゃん。ちゃんと割り切らないとね。
やっとお店についた。
さすがにワイン3本は重かったな。
ご飯作りながら、開店準備始めよう。
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昨日はタクシーで帰宅。
さすがに店員と客ではハードルが高いか。
そこら辺で出会う女はすぐ俺の虜になるのに。
出会った場所が残念だ。
キーをかざし、扉が開く。
タワーマンション30階、29階全体が俺の住処。
遮光完璧シャットアウトのカーテンは閉めっぱなし。
夜に家にいれば景色を楽しむのだが、大体外で素敵な女性を探しているからしょうがない。
これから朝日が昇るので風呂に入り就寝。
やはり何年たっても日光は克服できないようだ。
お気に入りのグラスに栄養補給の血を入れて飲む。
この1杯が風呂上りの後、至福の時間。
しかしあのBARの女はいい女だったな。
ひさしぶりに一目惚れをしたかもしれない。
これから時間が作れたら会いに行こう。
とても魅力的な雰囲気で気になってしまう。
今頃、何をしているんだろうか。
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