【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
1394話 リーゼロッテ純愛ルート ファイアードラゴン討伐
1394話 リーゼロッテ純愛ルート ファイアードラゴン討伐
「ちぃっ……! さすがは竜種と言ったところか……! 俺たちの水魔法を喰らってもなお、動き回れるとは……!!」
俺は歯噛みする。
アヴァロン迷宮の最深部に住まうファイアードラゴン。
俺とリーゼロッテさんは、こいつを討伐するためにこの地を訪れていた。
こいつさえ倒せば、ラスターレイン伯爵家に俺たちの仲が認めてもらえるはずなのだ……!
「タカシさん! あちらを!!」
「あれは……!?」
俺は目を見開く。
ここはダンジョンの最深部だったはずだが……。
いつの間にか、日の光が差し込んでいた。
「戦いで天井が崩れたのでしょうか……?」
「そのようですわ! これは願ってもないチャンスです! 戦いの場を海上へ移しますわよ!!」
リーゼロッテさんが魔法を詠唱する。
彼女は俺の加護を得たことにより、水魔法のスペシャリストとなっている。
俺もリーゼロッテさんも、ファイアードラゴンには相性がいい。
だが、俺たち二人をもってしても、この怪物相手では苦戦を強いられていた。
「いきますわ! ――【スプラッシュ】!!」
「【スプラッシュ】!!」
俺とリーゼロッテさんが魔法を放つ。
水しぶきがファイアードラゴンを包み込んだ。
もちろん、この程度はダメージにもならないだろう。
だが、奴の集中力を削ぐことはできる。
「こっちだ! ファイアードラゴンよ!!」
俺とリーゼロッテさんは、水魔法を利用してその場から移動する。
魔法で空中に水流を生み出して、それに身を任せるイメージだ。
重力魔法の自在性、火魔法の爆発的な加速性、風魔法による自然な立体機動性あたりと比べると、移動方法としてはやや劣る。
しかし、それでもこの魔法は便利だ。
魔法に特化している俺たちの脆弱な身体能力でも、ある程度の移動性能を発揮できる。
「ふふふ……。無事に海上まで移動できましたわね」
「ええ。ここなら水魔法使いである俺たちに有利です。飛んで火に入る夏の虫――いえ、飛んで海に入る火竜といったところですか」
「ふふっ……。タカシさんは面白いことを言いますわね」
俺とリーゼロッテさんが笑い合う。
すると、ファイアードラゴンが咆哮した。
「ぐっ……!」
「くぅ……!」
俺は思わず耳を塞ぐ。
リーゼロッテさんは苦悶の表情を浮かべた。
だが、すぐに体勢を立て直すと、ファイアードラゴンに向けて魔法を放つ。
「タカシさん!」
「ええ! 【アイスレイン】!!」
俺はリーゼロッテさんに追随するようにして水魔法を発動。
この魔法は、ファイアードラゴンの翼を捉える。
「効いてる……!」
俺は思わず快哉を上げる。
アヴァロン迷宮の最深部は、火口のような環境だった。
そのため、火を操るファイアードラゴンに有利だったのだが……。
ここは海。
水魔法を使う際に一から水を生成しなくて済む分、その他の工程に魔力を割くことができる。
俺とリーゼロッテさんの水魔法の威力は、先ほどまでよりも格段に上昇している。
「これならいける! うおおおおおぉっ!! 【大円海・宴帝】!!!」
俺は魔力を全開にし、水魔法を発動する。
ドッパァァァァ……!!!!
激しい音とともに、海水がファイアードラゴンを包みこんだ。
「この海すべてが俺たちの領域……。お前の敗因は、地の利を軽く見たことだ! さぁ、リーゼロッテさん! 今です!!」
「はあああぁっ! 【エターナルフォースブリザード】!!」
リーゼロッテさんが魔法を放つ。
彼女の放った水魔法は、ファイアードラゴンの巨体を氷漬けにした。
そして、氷の中の魔力反応が消失する。
「や、やったぞ……!」
俺は喜ぶ。
ファイアードラゴンが、最後に泣きそうな目をしていたのが気になったが……。
民衆に危険が及ぶかもしれない状況で、危険な竜種を放ってはおけない。
これで良かったはずだ。
「やりましたわね! タカシさん!!」
俺とリーゼロッテさんは熱い抱擁を交わす。
こうして、俺たちはファイアードラゴンを討伐したのだった――
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