567話 お許しを……お館様ぁ……

 ハイブリッジ邸の自室にて、レインを問い詰めているところだ。

 というのも、彼女が下着姿で俺のベッドに潜り込んで何かしていた様子だからである。


 別にさほど気にすることでもないのだが、彼女自身もこういう詰問プレイが好きなようだった。

 なので、彼女の望み通り、こうして恥ずかしい目に遭わせているというわけだ。

 もちろん俺もノリノリである。


「ほれほれ、俺のベッドでいったい何をしていたんだ? 正直に話せば優しく可愛がってやるぞ」


「そ、そんなこと言えません……あっ……」


 俺はレインの胸を揉みしだいていく。

 その度にレインは可愛らしい声を上げる。

 先ほどからずっとこうやって焦らし続け、彼女が屈服するのを待つ作戦を取っている。

 メイドの秘め事を暴いて強引に迫っているので、傍目には完全なセクハラだし性犯罪である。


 だが、大丈夫だ。

 俺には加護付与というチートスキルがあり、その副次的な効果により各人の忠義度を知ることができる。

 レインの忠義度はこんなセクハラをかましている間にも微増傾向だ。

 彼女はこういうプレイが好きらしい。


「ふん。強情な奴め。そういう態度を取るなら、こちらにも考えがあるぞ」


「ああんっ! お許しを……お館様ぁ……」


 俺はさらにレインへの愛撫を強くしていく。

 彼女の弱点はすでに把握済みだ。

 夜戦術レベル1を持つ俺に死角はない。

 厳密には今は夜ではないのだが、細かいことはいいだろう。


 彼女の弱いところを中心に刺激を与え続け、快楽の海に沈めてしまおう。

 そうすれば、彼女の忠義度も上がっていくはずだ。

 何より、俺が楽しめる。


「あううう……お、お許しを……」


「ダメだ。素直に言うまで許さん」


「そ、そんな……」


 レインが潤んだ瞳で俺を見つめてくる。

 なんというか嗜虐心をそそられる。

 俺はさらに彼女にセクハラを続け、彼女を追い詰めていく。

 そしてついに……。


「は、白状します! お館様のベッドの中で……じ、自分を慰めていました……」


「ふむ。それで? どんなことを考えていたのだ?」


「お、お館様とエッチなことをする妄想をしてました……」


「ほほう。それはそれは……」


 いいことを聞いた。

 自分をオカズにされていたと言われると、何とも言えない感情が芽生える。

 俺はニヤリと笑みを浮かべ、レインの下腹部をなでる。


「ああ……お、お許しください……」


 レインは羞恥心に耐えきれなくなったのか、顔を手で覆ってしまった。

 しかし、指の隙間から彼女の顔が見え隠れしている。

 俺は彼女の耳元で囁く。


「では、今ここで続きをやってみせろ」


「ええ!?」


「何を驚いている。さっき言ったではないか。お前は自分で自分を慰めていたんだろう? 続きをするだけだ。できるな?」


「そ、それは……」


「できないのか?」


 俺は失望混じりの視線をレインに向ける。


「できます! やります!」


「ならば、早くしろ。それとも、やはり俺に罰を与えて欲しいのか?」


「そ、それも少し興味が……」


 罰に興味とは。

 レインはやはり被虐趣味があるようだ。

 間違いない。


「お望みなら後で罰を与えてやる。今は、続きをするのだ」


「は、はい……」


 レインは俺の言葉に従い、下腹に手を伸ばす。

 彼女はそのままショーツの中に手を入れ、自分の敏感な部分を刺激し始めた。


「んん……はうう……」


 レインは目を閉じ、自分の身体をまさぐり始める。

 俺が指示したわけではないが、彼女は自分から足を大きく広げた姿勢を取り、さらなる快感を得ようとしていた。

 俺が見ている前で自慰を始める彼女。

 その姿に興奮を覚え、思わず息を飲む。


「はぁ、はぁ、はぅうん! んあっ!」


 彼女があえぎ声を漏らす。

 しかし、俺に見られている緊張感からか、なかなか達することができていない。

 まあ、当然だろう。

 他人に見せるのだから恥ずかしくて当たり前だ。


 しかも、相手は俺である。

 だが、俺は彼女が達するまで、黙って見守ってやるほど優しい男ではない。


「悪いな、レイン。これでも客を待たせている身でな」


 魔道技師ジェイネフェリアとの面談中だった。

 魔法の絨毯の暴走により一時中断している形だ。

 今はキリヤやヴィルナが対応してくれているようだが、あまり待たせすぎるのも悪い。

 俺は早々に終わらせることにした。


「手伝ってやろう。おら、イケよ」


「はうっ!!」


 俺はレインの胸の先端をつまみ上げた。

 彼女はビクンと背筋を伸ばし、すぐにイってしまう。

 同時に、ショーツにシミができる。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


 レインはぐったりとして、荒い呼吸を繰り返す。

 俺は彼女の肩をポンと叩き、声をかけた。


「よく頑張ったな。後で褒美をくれてやる。今夜、この部屋に来るといい」


 今日の夜は、特に予定が入っていない。

 のんびりと1人で寝る予定であったが、レインの相手をするぐらいの余裕はある。


「は、はいぃ……」


 レインの忠義度が一気に上昇していく。

 あと一歩で加護(小)の条件を満たしそうだ。

 今夜のプレイで満足させてあげれば、いよいよレインも加護(小)のメンバーの仲間入りである。

 俺は満足げな笑みを浮かべつつ、自室を後にするのだった。

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