546話 タカシの最新ステータス

 俺の寝室で、ミリオンズの秘密会議を開いている。


「最後に俺自身のスキルを確認しておくか。俺が強化したスキルは……」


「まずは剣術でござろう? 聞いた話では、れべる五に達しているとか」


「その通りだ。少し前まではレベル4だったのだがな。蓮華やキリヤに負けてしまっては当主として示しがつかないから、慌てて伸ばしたんだ」


 特にキリヤは、新しく加護(小)の対象者になったことにより剣術の腕前がひと回り向上した。

 今の彼の剣術スキルはレベル5だ。

 俺の剣術スキルがレベル4のままでは、勝つのは難しい。

 同じレベル5に達した今は、ステータス強化系スキルの差などにより俺が優位である。


 とはいえ、うかうかしていてはいつ抜かれてもおかしくない。

 今の俺の剣術は、かつてビスカチオに1か月ほどだけ指導してもらった以外は我流だ。

 スキルの恩恵により技量は達人の域にあるが、経験や知識は不足している。

 機を見て、剣の聖地ソラトリアに行ってもいいかもしれないな。


「精力強化と夜戦術というスキルも取得したんだ。効果のほどは……みんなも知っていると思うが」


「タカシ様はもとよりお上手でしたが、少し前からは特にすごくなりました! まさに天にも昇る心地です!! ねえ? アイリスさん」


「あんまり大きな声で言うことでもないけど……。確かにそうだね」


 ミティの言葉を受けて、アイリスが顔を赤らめながら同意する。

 彼女は羞恥心が強いタイプだ。

 ミリオンズしかいない今の状況でも、あまりこういう話を堂々とする気にはなれないようである。


「私は嬉しかったよ。ここ最近はできていないけど」


 モニカが残念そうにそう言う。


「それは仕方ないさ。無事に子どもが生まれて落ち着いたら、また再開しよう」


 妊娠中のそういう行為は、基本的には慎んだ方がいい。


「ふふん。ま、今のお相手は私たちに任せなさいな」


「そ、そうですね。わたしもがんばります!」


「マリアもお勉強するよっ!」


 ユナ、ニム、マリアがそう言う。

 ミティたちが夜の戦線を離脱している今、ユナやニムは夜の主戦力の1人であると言っても過言ではない。


「ええと……。それはそれとして、タカシさんは新しく魔法も習得しましたよね。私と同じ植物魔法を……」


「そうだな。サリエと同じ植物魔法だ。とはいっても、俺はまだ植物魔法レベル1だがな」


 植物魔法は、森の中など自然が豊かな場所では使いやすい魔法だ。

 せっかくなので取得してみた。

 これで俺が使える魔法は、8種類となった。

 火、水、風、土、植物、聖、治療、空間である。


 未習得なのは、雷、重力、爆破、睡眠、影、闇あたりか。

 俺が知らないだけで、魔法の系統は他にもいろいろあるだろう。

 全てを取得して極めていくのはスキルポイントが足りないし、現実的ではないが……。

 雷や重力は取得してもいいかもしれないな。


 雷魔法はモニカと合同魔法を発動できる。

 重力魔法はマリアと合同魔法を発動できる。

 その上、マリアのエリアレビテーションの制御が不安定になったとき、俺が一時的に代わることで不慮の落下事故を防ぐこともできるだろう。

 エリアレビテーションでの移動が現実的になれば、俺たちミリオンズの行動範囲はグッと広くなる。


 空間魔法による転移も便利で安全なのだが、どうしても消費MPが多くなりがちだからな。

 ミリオンズもずいぶん大所帯になった。

 パーティとしてまとめて移動するなら、空間魔法による転移よりも馬車やエリアレビテーションの方が便利なことも多いだろう。


 まあ、転移魔法も使い道がないわけではない。

 実は普段から活用している。

 特にミティは、定期的に里帰りしている。

 実家でゆっくりするという意味合いもあるし、経験豊富な鍛冶師である父ダディに指導してもらうためという意味合いもある。


 その際の流れのイメージはこうだ。

 とある日の朝、俺とミティが2人で彼女の故郷ガロル村まで転移する。

 ラーグの街からガロル村までは遠いので消費MPは大きいが、2人だけならそこまででもない。

 転移後、ダディたちに軽く挨拶を済ませたら、ミティを置いて俺は1人でラーグの街に帰還する。

 日中は、領主としての仕事に精を出す。

 夕方くらいになれば、俺はラーグの街からガロル村まで1人で転移する。

 そしてミティと合流し、2人でラーグの街まで転移してくるわけだ。


 こんな感じで運用することにより、ミティは気軽に里帰りできる。

 俺の仕事具合によっては、俺もミティといっしょにガロル村で過ごすこともあるし、あるいはミティが向こうで一夜を明かしてから迎えに行くこともある。


 もちろんミティだけではなく、各人の故郷に対してこういった送迎は行っている。

 ハイブリッジ家の邸宅が妻や仲間たちにとって過ごしやすい居場所であるよう気を遣っているつもりだが、やはり時には実家でゆっくりしたい気持ちになることもあるだろう。

 そんな彼女たちを送迎することに、苦はない。


 まあ、あまり頻繁に送迎すると消費MPが馬鹿にならないし、領主としての仕事に多少の支障が出る。

 里帰りは、多くても月に1~2回程度に自重してもらっている。

 今の所はそれでうまく回っているが、今後ハーレムメンバーが増えてきたらマズいかもしれないな。

 特に蓮華の故郷である大和連邦は遠いし、気軽に里帰りするには遠い。


 ミリオンズのだれかに空間魔法を取得してもらうのもありだろうか?

 しかし、転移魔法陣を作成できるようになるには空間魔法をレベル3まで伸ばさないといけないんだよな……。

 近接戦闘系のスキル、攻撃魔法系のスキル、それに索敵・生産・サポート系のスキルも大切だし、ミリオンズのみんなに空間魔法を取る余裕はあまりない。

 配下の加護(小)持ちの誰かが通常の加護にランクアップしたら、空間魔法の専門者になってもらってもいいかもなあ。


「俺の最新ステータスはこんな感じか。……そういえば、新しいミッションが追加されたんだった」


「初耳ですわね。内容はどういったものですの?」


 リーゼロッテがそう問う。

 せっかくだし、ミッションの件もちゃんと共有しておくか。



レベル30、タカシ=ハイブリッジ

種族:ヒューマン

身分:騎士爵

役割:リーダー

職業:魔法剣士

ランク:B

二つ名:”紅剣”のタカシ

ギルド貢献値:1億7000万ガル

HP:248(191+57)

MP:378(126+252)

腕力:251(109+33+109)

脚力:244(106+32+106)

体力:269(117+35+117)

器用:147(113+34)

魔力:476(119+357)


武器:紅剣ドレッドルート

防具:オリハルコンアーマー

その他:光の精霊石


残りスキルポイント0

スキル:

ステータス操作

スキルリセット

加護付与

異世界言語

剣術レベル5

格闘術レベル3

回避術レベル3

気配察知レベル2

気配隠匿レベル2

視力強化レベル1

聴覚強化レベル1

MP強化レベル4

腕力強化レベル2

脚力強化レベル2

体力強化レベル2

魔力強化レベル5

肉体強化レベル3

闘気術レベル4

聖闘気術レベル1

火魔法レベル5「ファイアーボール、ファイアーアロー、ファイアートルネード、ボルカニックフレイム、火魔法創造 “三百本桜” ”フレアドライブ” 他」

水魔法レベル5「ウォーターボール、アイスボール、アイスレイン、ブリザード、水魔法創造」

風魔法レベル3「エアバースト、エアリアルスラッシュ、ジェットストーム」

土魔法レベル2「ストーンショット、ロックアーマー」

植物魔法レベル1「ウッドバインド」

聖魔法レベル4「ウィッシュ、ホーリーシャイン、セイクリッドチェーン、パニッシュ」

治療魔法レベル4「キュア、ヒール、エリアヒール、リカバリー」

空間魔法レベル3「アイテムボックス、アイテムルーム、転移魔法陣作成」

高速詠唱レベル3

MP消費量減少レベル4

MP回復速度強化レベル2

精力強化レベル1

夜戦術レベル1


称号:

犬狩り

ホワイトタイガー討伐者

ジャイアントゴーレム討伐者

オーガ・ハーピィの盟友

ガルハード杯ベスト16

ミドルベア討伐者

霧蛇竜ヘルザム討伐者

メルビン杯ベスト8

キメラ打倒者

ブギー盗掘団捕縛者

ゴブリンキング討伐者

聖騎士ソーマの盟友

古代アンドロイドのご主人様

アヴァロン迷宮踏破者

ファイアードラゴンの友

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