58話 レベルアップとスキル強化の検討

 闘気術の発動に初めて成功した日の午後。

いつも通りに冒険者稼業を行う。

日々の稼ぎは必要だし、対魔物戦の感覚がにぶるのも避けたいからな。


 魔物を数匹狩ったところで、俺とミティのレベルが上がった。

俺はレベル12から13。

ミティは10から11だ。



レベル13、たかし

種族:ヒューマン

職業:剣士

ランク:D

HP: 99(76+23)

MP:125(50+75)

腕力: 51(39+12)

脚力: 48(37+11)

体力:101(44+13+44)

器用: 55(42+13)

魔力: 90(45+45)


武器:アイアンソード

防具:レザーアーマー(上)、スモールシールド


残りスキルポイント20

スキル:

ステータス操作

スキルリセット

加護付与

異世界言語

剣術レベル3

回避術レベル1

気配察知レベル2

MP強化レベル3

体力強化レベル2

魔力強化レベル2

肉体強化レベル3

闘気術レベル1 「開放」

火魔法レベル5 「ファイアーボール、ファイアーアロー、ファイアートルネード、ボルカニックフレイム、火魔法創造 “五本桜” “バーンアウト”」

水魔法レベル1 「ウォーターボール」

風魔法レベル1 「エアバースト」

治療魔法レベル1 「キュア」

空間魔法レベル2 「アイテムボックス、アイテムルーム」

MP消費量減少レベル2

MP回復速度強化レベル1


称号:

犬狩り

ホワイトタイガー討伐者



レベル11、ミティ

種族:ドワーフ

職業:槌士

ランク:E

HP: 83(64+19)

MP: 47(36+11)

腕力:171(61+18+92)

脚力: 39(30+9)

体力: 78(43+13+22)

器用: 30(13+4+13)

魔力: 46(35+11)


武器:ストーンハンマー

防具:レザーアーマー

その他:アイテムバッグ


残りスキルポイント20

スキル:

槌術レベル3

格闘術レベル1

投擲術レベル3

体力強化レベル1

腕力強化レベル3

器用強化レベル2

闘気術レベル1 「開放」

MP回復速度強化レベル1


称号:

タカシの加護を受けし者



未達成のミッション:


ミッション(期間限定)

ゾルフ砦の防衛に加勢しよう。

報酬:スキルポイント20


ミッション

竜種を1頭討伐しよう。

報酬:スキルポイント20


ミッション

ゾルフ砦のガルハード杯本戦に出場しよう。

報酬:スキルポイント10



 とりあえず保留にして街へ戻る。

冒険者ギルドへの報告や夕食などを済ませる。

後は寝るだけだ。

じっくりとスキルポイントの使い道を考えていこう。


 どうスキルポイントを使うか、悩みどころだ。

第1候補は、取得したての闘気術を強化することだ。

俺もミティも、スキルポイントが20ある。

闘気術に振れば、レベル2か3まで強化することができる。

闘気術を今このタイミングで強化することには、大きなメリットが2つある。


 1つは、師範の的確な指導を受けられるということだ。

初心者なら初心者、中級者には中級者の指導がある。

レベル1のまま指導を受けておいて、いざガルハード杯や防衛戦のときに慌ててレベル2や3に闘気術を強化したとして、強化された闘気術をうまく扱えるかどうか。

それならば、早めのこのタイミングで闘気術を強化しておいて、中級者向けの指導や訓練を受けておいたほうがいい。


 もう1つのメリットは、武闘会で勝ち進める可能性が増すことだ。

予選会を突破してガルハード杯本戦に出場できれば、スキルポイント10が手に入る。

今ここで闘気術にスキルポイントを使用して強くなり、さらに報酬のスキルポイント10で他のスキルを強化することができる。


 また、スキルポイント以外にも、賞金、評判、冒険者ギルドのランク査定などにもつながる。

ガルハード杯という大舞台で経験を積めば、戦闘経験としても得るものが多そうだ。

強者と知り合うことができれば、防衛戦に活かせるかもしれない。


 まあそもそも、防衛戦がどのタイミングで起きるかはわからないが。

ガルハード杯より前に防衛戦が発生するかもしれない。

多少の情報収集は試みているが、いまいち有益な情報が集まらない。

俺のような一個人では限界がある。

防衛戦に関して、現状は基本的に待ちの姿勢になってしまっている。


 闘気術以外の候補は何があるか。

防衛戦に有用そうなスキルの取得も検討しておこう。


ミッション(期間限定)

ゾルフ砦の防衛に加勢しよう。

報酬:スキルポイント20


 ミッションの文言としては、防衛に加勢さえすればスキルポイントをもらえそうに思える。

とりあえず防衛に参加してスキルポイント20を確保し、戦況に応じて魔法系か近接戦闘系かサポート系か、役に立ちそうなスキルを取得すればいいかもしれない。

現状のスキル強化や取得の方向性としては、防衛戦は少し意識する程度にとどめ、あくまでガルハード杯を意識してスキルを選ぶのが良さそうだ。


 となると、俺にせよミティにせよ、闘気術をレベル2か3まで強化することはほぼ確定と考えていい。

その上で、ガルハード杯に役立ちそうな他の候補を考える。


 まず俺のスキル候補だ。

既存スキルを強化するなら、回避術レベル1、体力強化レベル2、肉体強化レベル3、あたりが候補になる。

また、新規でスキルを取得するなら、格闘術、腕力強化、脚力強化あたりか。

意外に候補は少ない。

まあ闘気術のように、なんらかの条件で追加されるスキルがあるのかもしれないが。


 この街に来てすぐに観戦した小規模な武闘大会では、様々な闘い方の選手がいた。

攻撃手段の面では、パンチ主体の選手や、キック主体の選手、あるいは投げ技などを主体とする選手もいた。

防御手段の面では、ガード主体の選手の他、回避を主体とする選手もいた。


 このメルビン道場で学んでいる剛拳流は、闘気術で攻撃力を高め、パンチなどで攻撃する流派だ。

守備については、闘気術で防御力を高めてガードで耐える方針である。


 となると、回避術、体力強化、脚力強化あたりの優先度は低くなる。

別に師範に気をつかっているわけではない。

この道場で学んでいる以上、同じ闘い方にしておかないと訓練の効率が半減するだろうからだ。


 ここで、スキル取得に必要なポイントを整理しておこう。

新たなスキルを取得するには、10ポイント。

スキルレベル1を2にするには、5ポイント。

スキルレベル2を3にするには、10ポイント。

スキルレベル3を4にするには、15ポイント。

スキルレベル4を5にするには、30ポイント。

以上のようになっている。


 今、俺が強化や取得を検討しているスキルに当てはめる。

闘気術レベル1を2にするには、5ポイント。

闘気術レベル2を3にするには、10ポイント。

肉体強化レベル3を4にするには、15ポイント。

格闘術レベル1を新たに取得するには、10ポイント。

腕力強化レベル1を新たに取得するには、10ポイント。

こんな感じになる。


 スキルポイントの使い道を整理していく。

Aプラン「闘気術をレベル3まで上げる」で15ポイント消費し5ポイントは保留。

Bプラン「闘気術をレベル2に上げ、肉体強化をレベル4に上げる」で20ポイント使い切る。

Cプラン「闘気術をレベル2に上げ、格闘術を取得する」で15ポイント消費し5ポイントは保留。

Dプラン「闘気術をレベル2に上げ、腕力強化を取得する」で15ポイント消費し5ポイントは保留。

このあたりが候補か。


 Aプランは良さそうだ。

闘気術をレベル3に上げて、師範に扱い方を指導してもらう。

せっかく金を払っているわけだし、この機会に詳しく教えてもらいたい。


 Bプランは少し微妙か。

肉体強化のスキルは、身体能力を全体的に向上させるスキルだ。

俺がこの世界に転移してきて、最初に取得したスキルでもある。

バランス良く強化できるので弱点をなくすという意味で取得した。

スキルレベル1~3ぐらいまでならコストパフォーマンスは良いと思う。

ただ、スキルポイントを15ポイント使用してまでスキルレベルを4にする価値があるかというと、微妙なところだ。


 Cプランもイマイチだろう。

闘気術は、攻撃だけでなく防御や移動速度の向上にも関わってくるスキルだ。

今後、剣や魔法で魔物相手に冒険者稼業を続けていく上でも、役立つことも多いと思われる。


 一方で、格闘術は使い所がかなり限られている。

街中での奇襲対応や人相手で生け捕りにしたいときなどぐらいか。

あとは戦闘中に武器がなくなってしまったときとか。

わざわざスキルポイントを使用してまで格闘術を取得する必要もないだろう。

この道場での訓練で格闘術を取得できれば理想的だ。


 Dプランは悪くない。

腕力強化は、剣での戦闘でも役に立ちそうなスキルだ。

剣に限らず、槌、弓、棒、斧、槍など、様々な武器を扱う上で貢献できるだろう。

かなり汎用性の高いスキルだ。


 AプランかDプランか。

考え込む。

…………よし。

Aプランの方向性でいこうかな。

ただし、闘気術レベル2の使い勝手もわからないし、まずはレベル2までだけ上げることにする。

数日様子を見て、問題なければ闘気術をレベル3にあげよう。

場合によってはDプランへの軌道修正も可能だ。



 さて、次はミティのスキル候補だ。

既存スキルを強化するなら、格闘術レベル1、体力強化レベル1、腕力強化レベル3、あたりが候補になる。

新規でスキルを取得するなら、肉体強化ぐらいか。


 格闘術と体力強化は、俺と同じ理由で却下でいいだろう。

肉体強化は汎用性の高いスキルではあるが、ミティには俺の加護がある。

加護の恩恵で、全能力値が3割アップしている。

肉体強化レベル1を取得し身体能力が1割アップしたところで、さほど大きなメリットはなさそうか。


 腕力強化レベル3を4に上げるのはどうか。

20日ほど前にミティのレベルが9に上がったときには、レベル4のスキル取得は時期尚早だと判断した。

当時は俺のレベルは11だった。

ミティが必要以上に目立ちトラブルに巻き込まれたときに、守りきれるかどうか不安があった。


 今の俺のレベルは13だし、闘気術も取得した。

師範とは基本的には授業料の金銭で繋がっている関係ではあるが、多少のトラブルなら手助けしてくれるかもしれない。

この街にはギルバートもいるしな。

ミティ自身のレベルも11に上がっているし、腕力強化レベル4を取得しても大丈夫だろう。


 ミティのスキルポイントの使い道を整理していく。

Aプラン「闘気術をレベル3まで上げる」で15ポイント消費し5ポイントは保留。

Bプラン「闘気術をレベル2まで上げ、腕力強化をレベル4に上げる」で20ポイント使い切る。

この2つが候補か。


 Aプランは、俺と同じ理由で良さそうな選択だ。

闘気術の使い方に慣れることで、ガルハード杯だけでなく、普段の冒険者稼業にも役立つ。

特にミティの場合は、ハンマーと投石がメインの攻撃手段だ。

闘気術により最大パワーが増すことで、ハンマーの攻撃力や投石の射程のアップが期待できそうだ。


 余ったスキルポイント5を格闘術に使うのもなくはない。

それは武闘会の様子次第で判断できる。

後一回勝てば賞金がたくさんもらえる、といった状況までいけばスキルポイント5に見合ったリターンがあるといえるだろう。

武闘会で格闘術にスキルポイントを使用しなかった場合は、その後の防衛戦で役立ちそうなスキルを取ればいい。

そのころには、武闘会での経験や日々の魔物狩りによりレベルアップして新たにスキルポイントが手に入っている可能性もある。


 Bプランも悪くない。

ミティの腕力の強さを最大限に伸ばしていく方向性だ。

腕力を強化すれば、ガルハード杯だけでなく、日々の冒険者稼業でのハンマーの攻撃力や投石の射程の向上に繋がる。

とはいえ、Aプランに比べると少し魅力に欠けるか。

ガルハード杯で役に立つのは闘気術も同じだしな。

 

 うーん。

ミティもAプランのほうがよさそうかな。

俺もミティも、闘気術を3に上げていく方向性だ。

闘気術の使い勝手が良くなかったときのリスクを軽減させるため、まずは俺が闘気術レベル2を取得しよう。

いざとなれば俺にはスキルリセットがあるからな。


 ステータス操作で闘気術をレベル2に強化する。

明日以降の様子次第で、ミティの闘気術をレベル2にしたり、俺の闘気術のレベルを3にしたり、段階を踏んで強化していこう。

闘気術の使い勝手が良ければ、数日中には俺もミティも闘気術をレベル3に上げることになる。



レベル13、たかし

種族:ヒューマン

職業:剣士

ランク:D

HP: 99(76+23)

MP:125(50+75)

腕力: 51(39+12)

脚力: 48(37+11)

体力:101(44+13+44)

器用: 55(42+13)

魔力: 90(45+45)


武器:アイアンソード

防具:レザーアーマー(上)、スモールシールド


残りスキルポイント15

スキル:

ステータス操作

スキルリセット

加護付与

異世界言語

剣術レベル3

回避術レベル1

気配察知レベル2

MP強化レベル3

体力強化レベル2

魔力強化レベル2

肉体強化レベル3

闘気術レベル2 「開放、感知」

火魔法レベル5 「ファイアーボール、ファイアーアロー、ファイアートルネード、ボルカニックフレイム、火魔法創造 “三本桜” “バーンアウト”」

水魔法レベル1 「ウォーターボール」

風魔法レベル1 「エアバースト」

治療魔法レベル1 「キュア」

空間魔法レベル2 「アイテムボックス、アイテムルーム」

MP消費量減少レベル2

MP回復速度強化レベル1


称号:

犬狩り

ホワイトタイガー討伐者

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