第4話 ソ連崩壊後

1982年、中国は津久見基地を正式に接収し、拡張した。基地に軍艦が停泊する条件を持たせる。


1991年。ソ連崩壊。ロシア成立後、室蘭基地と根室基地は日本政府に正式に移管された。稚内基地は維持されている。


1997年、中国の051G2型駆逐艦「珠海号」が関門海峡を通過し、津久見基地の軍港に入港した。


2001年4月、「米中南シナ海で航空機衝突事件」に端を発した外交危機は、軍事的な方向へと移行しつつあった。米空母キティホークを豊後水道に派遣、中国駐留軍にデモ。しかし、日本側に引き戻された。しかし、日本側に引き戻された。


それから。津久見の海域は米中の対峙の最前線となった。それでも平和は維持されている。そして何よりも、中国駐留軍側は現地の人々と友好的に接していた。米軍とは違う。


2017年。米中海軍、静岡県沖で再び対峙。中国の003型空母「浙江」と米国のニミッツ級空母「ロナルド・レーガン」が対峙している。しかし、どちらも先制攻撃はしなかった。

(同じ年、カリフォルニア第二共和国はアメリカの軍事的脅威によって崩壊した)


2027年から、米国の凋落が続く中で、日本における中国の軍事的存在はもはや意味をなさなくなった。そこで津久見基地の配置を縮小していくことにした。そして津久見基地は2035年に閉鎖される。


2035年、日本政府との契約満了により中国駐留軍が津久見基地を撤退。


2042年、米国の内乱は取り返しのつかない状態に達していた。

東海岸と西海岸に分かれた。

カリフォルニオ第三共和国が成立し、極東における米国の軍事資産はすべて継承された。日本からの撤退を宣言し、世界独占財閥「第二明船」の「グローバル改造計画」に参加した。


ここまで。日本にはもう外国軍はいない。しかし、日本も一見平和な混沌の時代に入った。


(2049年。ある日、中国は一週間かけて台湾を奪還した)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ワールドライン 九日一徳 @YiDe

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ