宝箱を開けただけなのに、うさぎの仲間が増えました

 私は宝箱の中身が、あまりにも想定外のもの過ぎて絶句する。

 その私の様子を勘違いしたマギアが、


「ハンディー、わかってるわよね……!」


「いや、ちょっ……!ちょっと、待ってって……!」


 そんなことを言いながらハンディーに迫っている。

 さすがにこれは、ハンディーが可哀想。


「マギア……! 私はまだ、なんともないから。平気だから!」


 私はマギアを安心させるためにそう声をかける。

 その言葉で安心できたのか、「そう……。それなら、よかった」と言って、もといた場所に戻る。


「宝箱の中身はなんだったの?」


 当然の疑問をマギアが言い放つ。

 というか、まだなにもなかったらよかったんだけど、中には


「……その、が入ってた」


 そう、赤色のフレームの眼鏡が入っていた。

 その眼鏡はフルリムのオーバル型。

 素材だとか、そういったものは一切わからない。

 伊達メガネなのか、ちゃんと度が入っているのかさえ、私にはわからなかった。

 すると、眼鏡というものがわからなかったのか、マギアが私にそう聞いてくる。


「めが、ね? なによそれ……。なんかのパーツ?」


 そう言いながら、マギアも宝箱の中身を確認してくる。

 ただ、少しもピンときてないのか、首を傾げながら、全然わからないという感じだった。


「ハンディ──」


 私はハンディーにも訊こうとしたら、いつの間に来たのか、ハンディーはすでに近くにいて、こう言った。


「知らない。ただ、一つだけ言えることがあるのだとすれば、古代の遺物だということだけだ」


「古代の遺物?」


「ああ。なんでこんなところにあるのかまでは、さすがにわからんが、古代の遺物で間違えないだろ。今じゃ、こんなの見たことないし、宝箱の中に入っていたわけだしな」


 う~ん。どうなんだろ。

 ハンディーの言いたいこともわからなくはない。

 それに、言ってることが間違ってるようにも聞こえないし、かなり的確なことを言ってるとも思う。

 とりあえず、これを古代の遺物ということにして、問題はこれをどうするのかということなんだよね……。

 私は、眼鏡をどうするのかということで悩む。


「シズ、ちょっと考えてるところ悪いんだけど、これってどうやって使うの? シズは知ってるみたいだし、実際に使ってるところを見てみたいんだけど、使ってくれない?」


 と、私が考えていると、マギアにそんなことを言われた。

 確かに、使ってみて、使えるものなら持ってけばいいかもしれない。

 それに、古代の遺物ということだし、なんかいい効果のアイテムかもしれない。

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