みんなで冒険に行きませんか? 8

「いっ、言って、ないぞ?」


 明らかに動揺してるのがわかるんですが?

 てか、覚えてるんですよ? 確かにハンディーは、変身できると言ってたんだから。


「変身、できるんだよね?」


 私は、ニコニコしながら、そう言う。

 私のそんな言葉に、なぜかハンディーは青ざめた顔をする。(もともと青いんだけどね)


「……きる」


「ハンディーさん? もうちょっと大きな声で言っていただけないと、聞こえませんよ?」


 マリアは実に楽しそうに、追い打ちをかけてくれる。ナイス、マリア!


「できる! ああ、そうだ! スライムだからな! 変身できるに決まってるだろ!」


「それじゃ、テントを立てることぐらい、できるよね?」


「ぐっ……! いやでも、人型には変身──」


「できるよね?」


 ふふふ、このクズスライムには、一度痛い目を見てもらわないといけないからね。

 というか、絶対に痛い目を見てもらう。


「だって、言ってたもんね? 人間になれるって。それじゃほら、ね?」


「た、頼む! それだけは──」


「ダ・メ☆」


 さて、テントを立ててもらおうか?

 そんなとき、私には一つ疑問がうまれる。

 このスライムの性別って、どっちなんだろう?

 どうしよう。男だったら最悪なんだけど。

 でも、魔物に性別なんて、そもそもなさそうだけど。

 喋り方的には男な気がするな。


「早く、変身して、ね?」


「そ、それだけは──」


「シズがそう言ってるんだから、早くしなさいよ! 殺すわよ?」


 いや、マギア。なにも殺すことないでしょう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る