みんなで冒険に行きませんか? 6
「シズさん、そうなんですか?」
「えっ? ちょっ、ちょっと待ってね」
私は、一番載ってる可能性の高い、冒険者カードを見てみる。
と、そこにはスキル一覧なるものがあった。
数々のスキルが載っていて、それに対応してるレベルが隣に載っている。
なるほど、確かにこのスライム、役に立つかもしれない。
「シズさん、どうでしたか?」
「あっ……。うん、スライムの言ってた通りだったよ。レベルごとにスキルがもらえると思う」
「どうだ? スライムだって、役に立つだろ? まあ、これだけ長く生きていれば、知ってることだって、たくさんあるわけだ。だからさ、ペットでもなんでもいいから、一緒に連れてってくれ」
う~ん。
このよくわからないスライムが言ってることも、一理あるし。
「シズ、それで結局どうするつもなの?」
「実際、役に立ちそうだし、連れてってあげよう──」
「その、連れてくのは別に構わないんですが、中央都市は確か、魔物は入れなかったはずですよ?」
なるほど、ここに置いて行こう。
他の人間が拾ってくれることを信じて、私たちは先に行こう。
「よし、それじゃマギア。そのスライムは無視して先に行こう」
「えっ? 殺さなくていいの?」
「見なかったことにする」
「ちょいちょいちょい! 待てっ! ちょっと待て! いや、なんでだよ! 連れてってくれよ! 安心しろ、置物になれる」
「置物になれる?」
それって、なんかの置物になれるってことかな?
スライムなわけだし、なれてもおかしくはないけど……。
「そうだ。中央都市にだって、入ることならできる。どうだ? 大丈夫そうだろ?」
「シズさん、その、中央都市には『看破の目』をもつ人たちもいるので、気づく人は気づくと思いますよ?」
「よし、やっぱり置いていくしか──」
「待て待て! 俺はレベル100のスライムだ。同レベルのやつ以外の『看破の目』なんて効かない。だから、頼む! 俺も一緒に連れてってくれ!」
理由はよくわからないけど、なかなかスライムは引き下がってくれない。
というか、しつこい!
なんで、そこまでしつこいの!
こうなったら──!
「それじゃ、理由を教えて」
「理由?」
スライムはなんのこと? というふうに、全然ピンときてない様子だった。
いや、話の流れ的にわかるでしょ!
「一緒に来ようとする理由だよ!」
「ああ。魔物にも国があるんだけどな、最近、税がキツくてな、飛び出してきたんだ」
税がキツいって。
魔物にもあるんだ、そういうの。
「で、飛び出してきたはいいけど、生き残るのが大変なんだよ。だから、人間に連れてってもらおうと思って」
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