みんなで冒険に行きませんか? 5
「ねえ、シズ。なんだか、このスライムが可愛そうに思えてきたんだけど……」
マギアの言う通り、このスライムのことがなんだか可愛そうになってきた。
それに、役に立つとも言ってたし。
別にペットにしてもいいかなと思えてきた。
「そうだろ? 一応言っておくが、俺が喋れるようにのるのに、だいたい5000年掛かったんだからな。普通のスライムなら、5000年も生きてることなんてできない。つまり、俺は珍しいスライムなんだぜ」
ご、5000年!? さ、さすがに冗談だよね!
スライムから出てきた衝撃の事実に、私は驚愕する。
マギアの方を見てみるけど、マギアも驚いていた。
「そういえば、役に立つとか言ってたけど、なんの役に立つの?」
そうそう、なんの役に立つのかちょっとした疑問だったんだよね。
私の記憶だと、スライムって、ただの雑魚モンスターだった気がするし。
「はっはっは。よくぞ聞いてくれた! 例えば、溝とかに落ちた小銭とかを拾うことができる。他にも、旅先で汚れた服を綺麗にすることができる! どうだ、役に立つだろ?」
うん、微妙!
まあ、スライムらしいといえばスライムらしいけどね。
「シズちゃん。その、スライムのレベル、100よ?」
えっ……? レベル100? スライムが?
と、そう思ってスライムを見てみると、
種族:魔法生物 名前:スライム
モンスターレベル:100
そこには、そういった表示が出てきた。
「まさか、このスライム、私たちのことを殺そうとしてたんじゃ……!」
「ち、ちがっ──」
「シズ、このスライム、やっぱりやっていい?」
「や、やめっ──」
「私もその方がいいと思いますよ? 知能のあるスライムなんて、怖いだけですし」
「だから、そんなんじゃないって、言ってるだろ!」
「いや、魔物の話なんて信じられるわけないでしょ」
「た、確かにそうか……。いや、でもだな。ただ、話せるようになるのに、レベル100まであげなきゃいけないんだよ」
なんだか、本当なのかよくわからないことを、このスライムが言いだす。
たぶん、本当なんだろうけど……。
「どうするんですか、マギアさん」
「そうね、シズに決めてもらうわ。それで、どうするの、シズ?」
「ちょ、ちょっと待って。少しだけ考えさせて」
このスライムが言うには、私たちを殺そうということは思ってないらしい。
でも、このスライムはレベル100なんだよね。
基本的にゲームとかって、レベル100が上限のはずだし、たぶんレベルMAXってことだから……。
けど、スライムは雑魚モンスターだし。
「お前、勇者なんだろ? それなら、レベルごとにスキルがもらえるわけだから、わかるだろ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます