あなたも、私の仲間《パーティー》になりませんか……?7
「でも、ありがとね、シズ」
「どういたしまして」
マギアとそんな言葉を交わした私は、ふと空を見上げると、そこには快晴の青空が広がっていた。
私とマギアは、それから、ギルドに向かっていた。
「シズ」
「なに?」
「呼んでみただけよ」
さっきから、マギアはこの通りご機嫌のようだ。
まあ、理由も気持ちもわかる。
私もあんなことがあったら、機嫌がよくなるどころか、有頂天になってなにをするかわからないけど。
「ふふふ」
ときどき、マギアは笑みを浮かべていた。
そうして、私たちはギルドについた。
「ねえ、マギア」
「なに?」
「その、いい加減暑いから離れてくれない?」
そう、マギアはさっきから私の腕にくっついているのだ。よくある彼女みたいな感じで。
まあ、ギルドについたら離れてくれると思ってたけど、なかなか離れてくれないし、それに本当に暑い。
そして、恥ずかしい! というのが、まあ一番の理由だけど……。
「シズは、私がくっついてるのが嫌なわけ?」
「いや、その、そういうわけじゃなくてね?」
なんで、それだけで不機嫌になるのさ!?
「それじゃ、なんで?」
「えっと、その、みんなの前だと、その、恥ずかしい……かな?」
「えっ……? あー! もう、ギルドじゃない!」
まさか、ギルドに着いたことに気づいてなかっただなんて……。
マギアは急に恥ずかしくなったのか、慌てて離れると、耳まで真っ赤にしていた。
そのあと、マギアから「村に入ったら教えてくれたっていいじゃない!」なんてことを言われたりと、仲のいい友達! という感じで話をしていたら、
「あの、少しいいですか?」
誰かに声を掛けられ、私は振り返る。
そこには、とてもやわらかな笑みを浮かべた、優しそうなお姉さんがいた。
マギアは、明らかに不機嫌顔で、「邪魔なんだけど!」と言っていたけど……。
「あの、何か御用ですか?」
私は、マギアと違い、優しくそう返す。
「なんか、お二人の間に入り込もうと思ってるように見えたのなら、すみません。私、この紙を見て来たのですけど……」
そう言った彼女の手には、一枚の紙が握られており、それで、なんのようなのか気づいた。
まあ、普通に忘れてたんだけどね?
「あー、それね」
「はい。私、こう見えても
そう言うと、彼女の後ろからひょっこりとかわいい顔をだして、ペコリとお辞儀をする。
なんだか、かわいいな~と癒やされてると、「シズ?」とマギアにジト目でそう言われた。
「えっと、あなた達も私たちの
「はい。その、妹があまりにも子供だって理由で、他のパーティーに入れてもらえないんです」
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