あなたも、私の仲間《パーティー》になりませんか……?6
「そんなの、信じられるわけ──」
「本当に信じられない?」
「それは──」
「私は、記憶がない。だから、知りたいの。だから、教えてよ! この世界のことも、マギアのことも……!」
「私は、他のみんなから避けられてて──」
「それがどうしたの? 私は、マギアのことだって知らないし、なんで避けられてるかだってわからない。だから、私はマギアのことが知りたい! それで、本当のことを知りたい!」
そこで、彼女は黙り込んでしまう。
しばらく沈黙が続いたあと、マギアはこう言った。
「それじゃ、教えてあげる。私のこと全部。私が知ってること全部」
そうして、静かに話しだした。
「まず、私が避けられてる理由。それは、私が
そんな風に話しているマギアは、どこか寂しそうだった。
そして、悲しそうで、辛そうだった。
「でも、そんなある日、私にも仲間ができた。それで、私はあるダンジョンに行ったわ。そこで、私はその仲間たちに殺されかけた。そして、そのあと私は知ったの。仲間になったのは、私を殺すためだったんだって。たから、私は人のことを信じられなくなった」
マギアの背負っていた辛い過去を聞いて、私はそれを理解してあげることができなかった。
実際に体験したことがないから。
それでも──。
「ね……? シズだって、ここまで聞いたらやっぱり怖いでしょ……? 私のこと、嫌いになったでしょ……?」
私は、マギアとの短い、本当に短い、会ってからのことを思い出す。
かわいいくて、優しくて、それでいて、どこか偉そうで。
私が会ってから、マギアが怖いだなんて思ったことは一度もなかった。
だから、私がマギアを嫌いになる理由なんて、全くない。
だって、実際にマギアを見てきたから。
マギアと一緒にいたから。
だから、
「マギア、私は、そんなこと思わないよ」
「えっ……?」
「私はマギアのことを、怖いなんて思わない! だから、嫌いにもならない!」
「私と一緒にいると、シズもそんな風な目で見られるわよ?」
「覚悟のうえだよ!」
「私、魔女の娘とか、魔女の生き残りとか言われてるのよ?」
「かっこいいじゃん!」
「私、友達なんて初めてできたから、どうしたらいいのかわからないよ?」
「そんなの、私も同じだよ!」
「本当に、いいの……? 私、シズのこと、信じるわよ? そして、一生まとわりつくわよ?」
「いいよ。私は絶対に裏切らないって、マギアと一緒にいるって、約束する!」
「本当に……?」
「本当に。だからさ、マギア。私の
「本当、もの好きもいたものね」
そのときの彼女は、嬉しさから涙を溢していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます