あなたも、私の仲間《パーティー》になりませんか……?4
「マギアー! どこにいるのー!」
私は、マギアがなんで、走って行ってしまったのかということを考えながら、マギアを探していた。
別に、この村は大きな村ってわけじゃない。例えるなら、ゲームを始めて、最初にある村ぐらい。
だから、すぐに見つかると思ってた。だけど、マギアはなかなか見つからない。
私、なんかいけないことでも訊いたのかな……。
自慢じゃないけど、私って長いことオタクやってるから、コミュニケーション能力とかいうやつが著しくないんだよね……。本当に自慢じゃないけど。
私は、ついにトボトボと歩いてるいると、
「冷たっ……!」
なんか水のようなものがあたった。
私は思わず、空を見上げると、そこにはどす黒い雲が広がっていて、さっき当たった水のようなものが、雨粒だったのだと私は理解した。
そんなとき、私の頭の中にマギアの顔が過ぎった。
長い時間、一緒にいたわけじゃない。
今日初めてあって、初めて話した人。
でも、一度知ってしまったら、気にしないでいることなんてできない。
私は、見てみぬふりは、異世界に来る前からしたことなんて、一度もない。
だって、私はされたことがあるから。
だから、そのときの苦しみがわかるからこそ、私は救ってあげたいと思えた。
そんな、私の前向きな感情と裏腹に、雨足は強まる一方だった。
「どうしよ~」
あれから、かなりの時間探した。
雨は強まる一方だったこともあり、もう、私はビショ濡れだ。
本当に、どこに行っちゃったんだろう。
たぶん、もう、村中探し廻ったと思うし。
そんなとき、私がまだ行ってない場所で、マギアがいそうな場所が頭に思い浮かぶ。
もしかしたら、そこにいるかもしれない。
私はそんな淡い期待とともに、行くことにした。
ただ、その前に、
「あの、これって」
「ああ、銅貨3枚だよ」
そこで、パァっと顔が明るくなるのを感じながら、私は串焼き肉を購入した。
いや、仕方ないことだから……!
腹が減っては戦ができぬって言うから!
と、謎に自分にいいわけしながら、私はその場所へと向かうことにした。
雨の中、私が来ていたのは、私とマギアが、初めて会った場所だった。
「はぁ」
私は思わず、ため息をついてしまった。
そこに、マギアがいなかったから。
最後の希望だったんだけど……。
この場所も違うんだったら、もうどこにいるかなんて、検討もつかないよ。
せっかく、雨の中来たのに……。
そう、私が諦めかけていた、そのとき……!
「シズっ……!? どうして、ここに……? それより、なんで! なんでよ! どうせ、あんたも、みんなと同じなんでしょっ! そうなんでしょ!」
マギアは涙目を浮かべながら、そこに現れた。
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