あなたも、私の仲間《パーティー》になりませんか……? 3

「キター!」


「ほら、やっぱり避けられてたわけじゃないじゃないのよ……! きっと、この私のあまりの強さに怖気づいてただけよ!」


「いえ、私はギルド役員のものなんですけど、その、この募集を掲示板の方に出すのに、お金が支払われてなかったので、それを伝えに来たんですが……」


 なんだ、ギルド役員か……。

 てっ、お金? なんのこと?

 えっと、確かマギアがやることはやったって言ってたような──。


「お金?」


 あっ、わかった。

 なるほどね。ギルドでそういうことをするのが、初めてだから……。


「えっと、それで、お金を支払っていただけますか?」


「マギア、もってる?」


「もってる、けど、それって、いくらなの?」


「これくらいになります」


 ギルド役員と名乗った彼女は、金額の書かれた一枚の紙をマギアに見せる。


「うそっ……!?」


「えっ? なに? もしかして、足りなかったの?」


 私はたぶん持ってないし。

 そう思いながらも、一応あの鞄の中身を確認してみる。

 すると、本当に、本当に少しだけあった。

 色も銅だし、数も5枚。

 こんなんじゃ、たぶん、話にもならないよね。


「いや、そうじゃなくて、私の一ヶ月のお小遣いが全部とぶから」


「えっ?」


「まだ、始まったばっかなのに、一文なしになったわ!」


 なんで、そこで胸を張るのかは、わからないけど、ご愁傷様です、と、私は心の中で、手を合わせておくのだった。


「ねえ、なんで避けられてるの?」


「た、たぶん、気のせい、だと思うわ……」


 そう言いながら、「あはは……」と笑う彼女は、明らかに何かを隠してるようだった。

 う~ん、どうしたら話してくれるかな~。

 このままだと、なんで避けられてるのかわからないから、どう対処すればいいかもわからないんだよ。

 そう! どう対処すればいいかわからないんだよ!


「ねえ、マギアって、村で異名とかつけられてない?」


「なに? 異名……? それぐらいならあるわよ」


 やっぱり!

 でも、異名があるってことは、相当強いってことなのか……?


「どんなの? なんて呼ばれてるの?」


「うん? えっと、魔女の娘とか、魔女の生き残り──」


 そこで一度、言葉が詰まる。

 そして、マギアは急に顔が青ざめて──。


「ごめん」


 マギアはそう言い残すと、走ってどこかに行ってしまう。

 私は、そんなマギアを慌てて追う。


「ちょ、ちょっと! マギア! マギア待ってー!」


「ごめん、ごめん、ごめん! シズ、ごめん!」


「どうしたの! マギア、一体どうしたのー!」


 ただ、基本、家に引きこもってたオタク女子高生JKには、走るなんてことはキツい。

 だから、マギアにすぐにおいてかれてしまった。

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