あなたも、私の仲間《パーティー》になりませんか……? 2
「ねえ、今度はシズのことを聞かせてくれない? ほら、私のことばっかり話してて、シズのこと、全然聞いてなかったなと思ってね。それに、私ばっかり話してるなんて、なんか不公平よ」
そういえば、私、マギアのことを訊いてるだけで、全然自分のこと話してなかったな……。
まあ、話してなかったというより、どう話すか悩んでただけなんだけど……。
でも、訊かれちゃったなら、仕方ない。
けど、どう話したものか……。
だいたいこういうときは、極東の島国~、ってのがセオリーだったと思うんだけど、どうしよう。
「ねぇ、教えて?」
「えっと、その……」
「ここに来る前は、どこにいたの?」
「極東の島国、とか……?」
そこで、謎の沈黙がおとずれる。
えっ、なに!? なんで、急に沈黙になるの!?
今の答えに、何か問題でもあったの!?
「ごめん、全然どこだかわからなかったわ。私、この村から出たことがなかったから、その、他がどうなってるのか、わからないのよ。だから、その、よかったら、シズの故郷に、行ってもいい?」
なんだ、考え込んでただけか。よかった~。
なんか、変な回答をしたのかと思ってドキドキした。
「機会があったらね……」
とりあえず、私はそう答え、はぐらかすのだった。
「ねえ、マギア」
「なにかしら?」
「さっきから、なんで私たちは避けられてるの?」
「し、知らないわ。避けられてるなんて、気のせいなんじゃない……?」
そんなわけないだろ!
と、ツッコミたい気持ちを、なんとか、なんとか抑え、周りをみる。
と、そこで
けど、すぐに目をそらされた。
しかも、ごめんなさい! って意思がひしひしと伝わってくるくらいに、はっきりと。
なんでよ! もう、誰でもいいから私の仲間になってよ!
なんで私たちが今、こんな状況なのか? それは、数分前に遡る。
ギルドにきた私たちが最初に行ったのは、パーティー募集の掲示板。
そこには、数々のことが書かれていた。
例えば、
魔法使い《ウィザード》の方希望!(マギア以外)
とか、
とか、そんな感じ。
もちろん、勇者と魔法使いを希望してるパーティーは一つもなかった。
で、仕方なく私たちもパーティー募集を出したんだけど、なかなか来ない。
というより、避けられてる気がする。
てか、絶対に避けられてる!
と、そんなときだった。私たちに声を掛けてくれる人がいたのは。
「あの、これを見て来たんですけど──」
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