あなたも、私の仲間《パーティー》になりませんか……?

「ここが、一番近くにある村よ。まずは、私の住んでる家まで案内するわ。こっちよ」


 あれから、しばらく歩くと、村に着いた。

 のどかな田舎ような感じの雰囲気の村で、畑なんかも見られる。

 そして、彼女はこの村に住んでるということだった。

 で、そのままの流れで、彼女の家に行くことになった。


「はい! ここが、私の家よ。どう? かなり立派な家でしょ?」


 彼女の言う通り、その家は他の家よりも大きく、立派な家だった。


「ほら、遠慮せずに入ってちょうだい。これからのことを決めましょう」


「それじゃ、おじゃまします」


 そう言って中に入ると、


「あら、マギちゃんにお友達なんて珍しいわね」


 マギアの母親がいた。

 マギアの母親は、とても優しそうで、なんだかおっとりとした雰囲気を醸し出しているため、とても落ち着く。


「なっ、お母さん……!? 帰ってきてたの! てか、友達じゃないわよ! 私の仲間よ! これから一緒に戦ったり、冒険したりする──」


「ああ、マギちゃんにお友達ができてよかったわ! 本当によかったわね、マギちゃん」


「だから、お友達じゃないわよ! シズ、付いてきて!」


 マギアはそう言うと、二階に上がり一つの部屋に入る。


「ここが私の部屋よ。今、飲み物とかお茶菓子を持ってくるからちょっと待ってなさい」


 マギアの部屋は、オレンジ色を基調とした、いかにも女の子という感じの部屋で、なんか彼女らしいなと思った。



「それで、これからについてだけど、まずはギルドに行きましょう! そこで、聖職者ペスター荷物管理サポーターを私たちの仲間にするの」


 話している彼女は、どこか活き活きとしており、とても楽しそうだった。

 なんというか、さっきのマギアの母親の反応からすると、たぶんマギアは友達がいないんだろうな、私の他に……。

 だから、こういった話をするのとかも、たぶん憧れだったんだろうな。


「ちょっと、私の話、ちゃんと聞いてるの?」


「えっ? ああ、うん。ちゃんと聞いてるよ」


「そう。まあ、とにかく、このあとはギルドに行きましょう。ただ……」


「ただ?」


「もう少し、ここで休憩していかない? ほら、せっかくだし。それに、このお茶菓子、おいしいでしょ……?」


「うん、まあ、おいしいけど……」


「そうでしょ……! なら、このお茶菓子を残すなんて勿体ないわ! だから、ここで一度休憩してから、ギルドに行きましょう」


 と、なかば強引に、私は彼女の部屋で一度休憩してから、ギルドに行くことになった。

 それにしても、彼女の言う通り、このお茶菓子、とってもおいしい!

 本当、ここが異世界だってことを忘れちゃいそう。

 そんなわけで、なんだかんだ言いながら、私もこの時間を十分に楽しんだのだった。

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