あなたも、勇者になりませんか? 6

「マギア、この辺に町っていうか、村ってないの?」


「あるけど、あんたってやっぱりこの辺の人じゃなかったのね」


 無意識に訊いてたけど、マギアは思った以上に頭がいいから気をつけないと。

 でも、近くに村があるなら安心。


「よし、これでやっと、私にも仲間ができたわ」


 心の声が漏れるタイプの人だ。

 なんか、頭がいいのにこういうところがあると、なんだか残念な気持ちになってくる。仲間として。


「ねえ、シズ。やっぱり、パーティーとしてやっていくなら、聖職者ペスター荷物管理サポーターが最低でもほしいわ」


聖職者ペスターはなんとなくわかるけど、荷物管理サポーターはなんで?」


「いや、荷物管理サポーター聖職者ペスターよりも優先されるわ。聖職者ペスターはパーティー内での回復の役割。で、荷物管理サポーターはダンジョンとかに行った際には、荷物持ちとしての役割があるの」


 うんうん、と私は聞く。


「まあ、勇者も他の役職よりはもてるけど、大して変わらないわ。でも、荷物管理サポーターは他の役職の何十倍も持てるのよ。まあ、レベルにもよるけどね」


 なるほど。

 てか、なんかマギアが自慢気なんだけど。

 というか、無性に腹立つ。今のマギアに、無性に腹立つ!

 なんか、あの勝ち誇ったような笑顔がめっちゃ腹立つ……!

 そんな思いを抱きながら、私たちは町へ向かった。

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