夏の決心

手紙を読んで、さっきとは違う涙が溢れていた。

 お礼を言うのは、僕の方だ...。たぶんこれは、最後の力を振り絞って、彼女が書いたもの。

 その証拠に、所々で、鉛筆が、震えている。

 そして、彼女が文字を書いた、その紙に。

 僕の大粒の涙が滲む。

 僕は、この手紙一枚で、世界を救えるんじゃないかと言うくらいの温もりを感じた。

 先ほどの、絶望していた僕は、もういなかった。


 これからがある


 彼女から、そんなことを言われちゃ、絶望なんてしてられないから...。

 僕は心の中で、空にいる彼女にこう唱えた。


 君が、僕の人生を色づかせてくれた。

 君はこれからも、僕の心のど真ん中で居座ってると思う。

 だから、安心して欲しい。

 僕が君を忘れることはないから。

 

 ひねくれた性格でごめん...。


 色々迷惑をかけて、ごめん...。

 

 ずっと気にかけてくれてたこと、気づけなくてごめん...。


 そして。



 ありがとう...。



 僕の言葉は、これと言った根拠はどこにもないけど、


確かに。


 彼女に届いてる気がした...。


 僕は、目元の涙を拭う。


 振り返ることは、もうしない...。

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君がいる夏と、君がいない夏 水水水 @minamizusui

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