第14話 ボディー・ペイント
ピンポーン。早速、画材が届いたようだ。
由香里は興奮状態。当然、裸なので、配達業者の人も驚いたに違いない。まあ、世の中そんなもんだ。
段ボール箱2個。筆。絵の具。パレット。ベッド型のシート。その他いろいろ入っている。由香里は早速、封を切り、制作準備に取りかかかった。
俺は、マットの上に横たわっていた。そう、ソープランドにある、あのエアマットだ。最初のボディペインティングは俺らしい。
「貴方は太陽の子よ」
由香里はそう行った。
最初はくすぐったかったが、すぐに慣れた。鏡で見ると、12の太陽の光の中に幼児がいる。どうやら、私は幼児らしい。キューピーさんだ。
「次は美香子さんよ」
美香子さんが横になる。
「何にしよう」
由香里は本当に悩んでいるようだった。
「決まった。美香子さん横になって」
美香子は言われるがままに、エアマットに横になった。
「下の毛を緑色にするわね」
由香里はどこで用意したのか、ブリーチを持っていた。美香子さんの下の毛は深い緑色になった。
「さあ、ここは海の中よ。お魚さんを描くわね」
由香里は妙にうきうきしていた。あっという間に絵が出来上がった。マンボウのような魚が海底を泳いでいる。それをとりまく小魚達。綺麗な絵だ。
「ああ、私も描いて欲しい」
由香里はそう言うと、私の目を見た。
「虹だ」
私は、唐突にそう言った。
「良いわね。それなら描けるでしょ」
「描けるかな」
自信なさげにそう言うと、もう、由香里はエアマットに横になっていた。
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