第2話 浮浪者

それから3年、俺は詐欺にあい自己破産した。駅前の一等地から、場末のワンルームマンションに引っ越した。

この詐欺師は友達だった。居抜きで店をしてオーナーになれ。店は丸ごと人に貸す。おれに伝手がある。そんな話に乗ってっしまったのだ。

堕落した。洋服はもちろん下着も着替えなくなった。風呂にも入らなくなった。散髪にも行かなくなった。髭はもちろん剃らない。どこから見ても浮浪者になった。

それでも、朝ハイだけは欠かさなかった。コンビニの出入り口の階段で飲む。意外なことに店員に注意されたことは無かった。


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