ハイボール天国
白井京月
第1話 朝ハイ
朝からハイボールを飲むことを朝ハイと言う。
俺が、朝ハイを始めたのは、会社を辞めて3年が過ぎてからだ。
サラリーマン諸君、羨ましいだろという倒錯した感情が混ざっていた。
やがて、朝ハイは日課になった。
ある精神科医は、朝からアルコールを飲むのは反社会的行動だと抜かしたが、社会規範すら分かっていない馬鹿だなと思った。
俺がハイボールを飲むのは、朝だけだった。朝飲むハイボールが格別にうまかった。
俺は50歳で会社を辞め、事業を始めた。事業と言っても恰好だけだ。金はあった。
妻も子供もいた。しかし、退職で揉めて離婚した。マンションでの一人暮らしは快適だった。気が向けばデリヘルを呼んだ。やみつきになった。ああ、あの頃はまだ勃起していたのだな。今は無理だ。それには深い事情がある。幸福な朝ハイ時代を一変させる事件が起きる。ゆっくりと話を進めよう。
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