第4話 オペレーション・コカコーラ
「あれれ?お母さんが・・小さくなってる・・」
「きゃあー、初音ちゃん。こんなに、おっきくなったの~。もうどっちが、お母さんなんだか分んなくなっちゃたね。それに、とってもキレイだわ。」
「わーい、やったあ。この身長は・・自分でも、ちょっとびっくりだよ。お母さんみたいに、おっぱいは、おっきくなってないけどねー。」
「でも、うち、着れる服なくなっちゃったよ~。」
「じゃあ、この後5Fいって新しい服いっぱい買っちゃいましょう。母さんお金まだいっぱいあるからね、えへへ。」
「やったー。ふたりで大人っぽいのいっぱい買っちゃおうよ。うちが選んだげる~」
「うわあー楽しみだねー。早くいこうよぉ」
「そうね。じゃあ、母さんいそいでお支払いしてくるから待っててね」
「はーい」
「うっわあ、うち、こんなの着るの初めてだよ~」
「すごく似合ってるわ。でも、ちょっとえっちすぎない?」
「お母さんはっ、これえ~~」
「ひええ~。はずかしいよ~」
「これなら、お兄ちゃん、いっぱいぺろぺろしてくれるかなあ?」
「・・・・どうかしらねぇ~」
☆☆☆
僕は、今まさにワクワクの絶頂にいる。
母さんの部屋から勝手に持ち出した昭和時代の100円玉を握りしめ。
あの自動販売機の前に立っているのだ。
まず、今の時代では考えられないガラス瓶に入った飲み物・・しかも、あの悪名高きコカ・コーラーだ。
僕が、知る限りこの時代のコカ・コーラ―には、今ではもう知られてもいない薬物が入っていたとされている。史実とされている事が、本当ならこのコーラには、カフェインか・・もしくは、コカインが入っていると思われる。
こんな、雑学は、ルームを首席で卒業した僕ならではの・・
それ故の好奇心?
いや違うな。
今の時代では、全てのドラックは、禁止されていない。
それどころか、法と言うもの自体が無い。
人殺しさえ禁止されていない時代。
やる奴もいないが・・
何をしても良い時代・・
そうだ、このわくわく感は、制限があった時代の人間の気持ちを味わいたいと言う好奇心から来ているのかも知れないな。
てか、
そんな事よりも、
僕は、この飲み物をどうしても飲まなくてはいけない。
そう思った瞬間、僕は、何も考えず
100円玉を投入していた。
カラカラカラッカッシャーン
コインが気持ち良く流れ落ちた瞬間
ボタンが光った。
「よっしゃ!きた、きた、きた、きたああ~」
そのまま、指さすようにスイッチを押す。
ジジジジジ・ジ・ジ・・
ズドンッ
瓶を握ぎりしめ、まじまじと眺めた。
冷たさを感じた。
「うっはああ。キンキンに冷えてやがる~」
なぜだか分からないが、そんな言葉が出てきた。
本能で栓抜きを見つけると
栓を抜く方法さえ瞬時に悟った。
夏の暑さのせいだろうか、僕は、何も考えずに一気にそれをゴクゴク流し込んだ。
くぅ、炭酸が強い!
「げっぽっ。うんめぇ~、悪魔、
あくまて・き・・だっ・・・」
「はうっ!」
そう言おうとした瞬間脊椎から後頭部にかけて強い衝撃がはしった。
僕は、そのまま真後ろに倒れて強く頭を打ち付けた・・
「い、意識が・・ぐるぐる回って・・
は、初音・・あああ、母さん・・たすけて・・」
薄れていく意識の中で20歳の姿になった母さんと初音が楽しそうに買い物をしている光景がたぶん見えた。
そんな気がしたんだ・・
「妄想するな!」
「座標が不安定になる!」
いきなり現れたそいつは、
そう言って僕のほっぺたを思い切り叩いた・・
つづく
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