第43話 同好

「伏野!部活作ろう!」


「は?」


突然の戌走の言葉に伏野は思わず苛立ちを帯びた声で言ってしまった。

登山の行事が終わってから一週間後の日であった。


「部活を作るって言ったって何部を作るんだ?サッカー部だったら、もうあるだろ」


「いや、サッカー部じゃなくて……」


と戌走がここまで言うと、戌走の後ろから息を切らした次石が走ってきた。

それに気がついた戌走は続きを次石に任せた。


「い、戌走さん、走るの速いって……。伏野くん、作りたいのは部活じゃないんだ」


「部活じゃない?同好会ってやつか?」


「そう、その通り。俺はフットサル同好会を作ろうと思っているんだ。まずは部員三人以上必要なんだけど、伏野くん入ってくれるかい?」


次石はそう言った。

フットサル同好会。

それは言葉の通りフットサルが好きな人たちが集まるための会。


「まぁ、いいぜ。フットサル同好会作ろーぜ」


「伏野が入るなら私も入る!」


と、伏野に続いて、まだ入ることを決めていなかったらしい戌走も入ることになった。

同好会には三人いれば良いのだが、伏野の誘いで荒井と根無も入ることとなり、この五人でフットサル同好会が結成された。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る