第35話 更新
「では、次はD組の伏野くん、お願いします」
学年主任の声で呼ばれ、伏野は歩き始めた。
さっきまで割と恥ずかしい思いにあった日のことを思い出していたため、大勢の前で緊張を感じることはなかった。
「一年D組、学級委員代理の伏野です。では、意気込みを言わせていただきます」
伏野は大勢の前でそう言うと、足を大きく開き仁王立ちをした。
そして、大きく叫んだ。
「緊ッ!!褌ッ!!一ッ!!番ッ!!」
誰もが聞こえるような声で。
これは次石が考えた四字熟語であったのだが、伏野がこれを初めて教えてもらった時、なんとも言えない表情をしてしまった。
そして、今、伏野の前に立っている大勢の生徒達も同じ顔をしていた。
「以上です!」
伏野は最後にそう叫び、大勢の生徒の前から去っていった。
生徒達の目線が伏野を追跡しているようにも感じられた。
そして、伏野は思う。
(恥ずかしい記憶が更新されやがった)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます