第25話 感謝

女子のフットサルが開始して5分後、伏野はコートの外から戌走達の楽しそうな光景を見守っていた。

そんな彼の隣にこのフットサル交流会の主催者、次石がそっと近寄ってきた。


「すごいね、戌走さん。とてもうまいし、自分だけが楽しまないように周りにもしっかりパスを出している」


「おい、それは俺に対しての皮肉か?悪かったな、実はサッカー強豪中学出身のベンチで」


「いや、流石に知っていたさ。あの自己紹介の時に」


「クソ恥ずかしい時のこと思い出させんな」


「でも、そのおかげでこんな入学して二週間程度で伏野くんとフットサルができるくらい仲良くなれた。だから俺はあの自己紹介、無駄なものではなかったと思うよ」


「ああ、まぁ、その点であいつに感謝しなくちゃな」


伏野はそう言い、フットサル交流会は幕を閉じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る