第20話 到着

「ここか」


伏野達はやや複雑な道の中にあったフットサル場をようやく見つけ、その中へと入った。

倉庫を改装したかのような場所であり、半分はフットサルコートで、もう半分はテーブルや椅子などが並べられており、パーティを開くことができるくらいのスペースがあった。


到着した伏野達の元に、この会の主催者である金髪眼鏡のあの男が近づいてきた。


「来てくれてありがとーね、伏野くんと戌走さんと荒井さん。道が複雑でここまで来るの大変だったでしょー。ごめんねー。こんなところしか借りられなくて」


「確かに道は複雑だったけど、こんなところ見つけられたな」


「まぁね。こういう会をどうしても開きたくて下調べはかなりしたからね」


「本当にサンキューな」


「どういたしまして」


と、伏野と金髪眼鏡の次石は会話を終え、伏野達はテーブル席が並んでいるパーティ用の方へ行った。

そこには同じ学年だけど知らない顔の男女が数十人、席に座って談笑を交わしていた。


「ほ、本当にたくさん人がいるね。わ、私のクラスの人も、何人かいる」


荒井はそう言った。

彼女は伏野達と違うクラスなため、知っている人間も違いがある。


「とりあえず、自由行動でもしようぜ。そのための交流会だしな」


「わかった!」


「わ、私も伏野くんたち以外の友達を作らなくちゃいけない、と思うから、さ、賛成かな」


「よっしゃ、んじゃあとでな」


と最後の伏野の言葉で、三人はそれぞれで行動を始めた。

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